オンライン授業について,できることからやり,難しいところをフォローする

文部科学省から,初等中等教育のオンライン授業について上記のようなメッセージが出ている。学校の公平性担保も重要だが,それだけでは進まない。無理なところがあるから,やらない,ではなく,やって,他のフォローを考える,ということである。

こうした報道を目にしていて,ある学校を思い出した。ある公立中学校であるが,家から動画教材を視聴する授業に取り組んでいた学校である。授業を始めた当初,やはり全員が受けられるのか,という心配から,受けられない家庭にはどうするのかを聞いてみた。

学年3クラスある中学校で,概ね20家庭ぐらいがネットにつながらない環境にあるということだった。そこで,映像をDVDに焼いて,配布をした。はじめは一枚一枚焼いていたようだが,複数一気に焼ける体制が整ったので,今ではそんなに負担がない。

というような内容だったと思う。もちろん,かなりよそ行きな取り組みの場合,できない家庭も多くなるかもしれないが,効果的かつ比較的簡便な方法をとった際に,妥当な範囲はどこかを調査に基づいて考えるのが,学校にとっては大切になってきそうだ。その前に,調査の中身を自分たちで考えるというよりかは,地域や学校で共有できていると良いのだが(実際に知っている先生方はこのような情報も交換している)。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72974

Moodle+ZOOmによる講義の実施

先日,「学校づくり授業づくり」という学部生を対象とした講義を実施した。事情により,変則的な集中講義となり,1回,2時間続きをひとセットとして,実施することになっている。その初回である。

このような状況を利用し,1時間目は非同期的な学習,2時間目は同期的な学習を行った。1時間目に書き込んだことについて,2時間目にブレイクアウトルームを活用して議論をすることにした。展開は以下のような感じ(一部削除)。

1時間目の授業内容(非同期)
2時間目の授業内容(同期+その後の課題は非同期)

2時間目のZOOMにおいては,事前のアンケートにより,学生たちは授業で活用することはほぼ初めてだったようなので,少しなれる作業等を取り入れた。私もこうした場面で介入するのは初めてだったので,結構緊張したが,途中いくつかのグループに入って立ち回ることができた。学生らは,個人的にはコミュニケーションはとっているだろうが,久しぶりに集まったので,議論を楽しんでいるようだった。

ただ,予定した通りの時間は大きくオーバーしてしまった。そのため,グループディスカッション後のとりまとめ,まとめの時間がなくできずに終わってしまった。これは終了後のコメントで数多く指摘をもらった。

でも,初めての取り組みにしてはよくできたし,学生のこともちょっとは分かったし良かったんではないかな。もちろん,Moodleで非同期という形が大学からは一般的に求められているもので,それだけでもできなくはないけれど,同期の良さは出せたのではないかと思う。

学生も,こうした学習をやってほしいから参加してもらったところもある。だって,彼らが学校現場に出たときには,こうした学習をやってほしいしやることになるだろうから。まず,体験はしておいてほしい。

new blended learning

日本において,e-learningが話題となったのは大体2003年ぐらいだっただろうか。しばらくすると,非同期の学習には限界があるということで,ブレンディッドラーニングという言葉が誕生した。非対面の学習と対面の学習を組み合わせ,より効果的にしようという取り組みである。

今日いっているオンライン授業,オンライン学習はZOOMを活用した同期的なものを想像する人が多いようだが,Moodleなどの学習支援システムを活用してオンデマンドで受講できる非同期型の学習も含まれる。データ量などを気にすると,むしろ後者のほうが大学では推奨される。

非同期のみの学習であったとすると,いずれ疲れ,モチベーションも落ちる。同期のみでも疲れ,モチベーションも落ちる(結局,どっちもかい!)。ということで,近くブレンディッドラーニングの重要性が語られるようになる。しかし,この場合はブレンドされるのは,今の所対面は難しいので,同期と非同期の学習。時代は繰り返されるが,その形は同じではないことを実感する。また,同期的なツールが飛躍的に進歩した。

まだ私はそのようなブレンドはしていないのだが,今後一部でチャレンジすることになるだろう。

さて今後,リアルな対面の価値はどこに出てくるのだろう?

ZOOM疲れにならないだろうか?

本大学でも,オンライン授業が2週目を迎えた。この間,周りからもれ伝え聞くところでは,ほとんどの人が同期的手法を取り入れているということである。私が準備や構想しているものは,非同期なのだが(大学もとりあえずの段階として,それが推奨ですよね?),どうやら現状はかなり違うのではないかと推察される。

教員の方々は,いきなりレベルが高い取り組みを頑張ってされているようにも見えるが,果たして大丈夫だろうか?

「大丈夫だろうか?」と書いたが,それは学んでいる方に対して。教員は同期的なものでやったほうがいつもと同じスタイルを持ち込めるので楽だと思う。受けている方は,大丈夫だろうか。1日に複数時間あると結構ツライような・・・。

何週か立つと,ZOOM(別にZOOMだけではないのだけれど)疲れがやってくるのではないだろうか・・・それとも,慣れる?私としては,今後始まる講義も集中講義もあるので,その推移を見極めていく必要がある。

一方,個別指導やゼミ的なものは,同期的に進めている。M1の担当も決定した。スケジューリングが難しいが,順調にこれまでと遜色なく進んでいる。

オンライン学習,一方向手段の確保と日常化を

前回,オンライン学習のひとつの手段として,NHK for Schoolの活用について書いた。ここから一気にタブレットを活用して・・・テレビ会議システムで・・・と行けるのは,ほんの一握りの自治体だと思う。

次に,学校でできることは,教科書の活用を中心とすること,そして学校Webサイトを利用して,情報を頻繁に発信することではないだろうか。

NHK for Schoolと同様に,教科書も学ぶべき事項がコンパクトにまとまっている。そして,(配布されていればだけど)みんな持っている。これを機会に今一度教科書で学ぶ,という根本が見つめ直されるとよいと思う。

一方,教科書があっても,それだけで多くの子どもが学べるわけではない。それを補うために,学校からなんらかの情報を発信できればよいのではないだろうか。

今,学校Webサイトの更新はCMSが利用されるなど,昔に比べてさほど負担があるわけではない。例えば,各クラス(あるいは学年)のページを作り,先生方がいわゆる発問となる問いかけや学習のガイドをできないだろうか。しかも,極力継続的に発信したい。双方向性への意識は次の段階で良いと思う。

各学校の先生方が発信する情報は,誰か知らない人からのものよりも,身近に感じられるものである。テレビで教育委員会の指導主事らが番組を放送するなどの手段を取り始めているところがあるが,子どもにとって知らない人が教えることから,どれぐらい継続性が期待されるかを考えたら,難しいのではないかと思う。もちろん,質の高い情報を学校の先生方が意図的に組み合わせて使うことができれば,頼りがいのあるものになるだろうけれど。