広島市立川内小学校を訪問

広島市立川内小学校は,11月に放送教育全国大会の授業公開を行う予定である。6月に引き続き訪問した。午前中は,道徳と社会の授業を参観(ひとりはICT研修ファシリテーター養成講座修了生)。いずれの授業も,同校が進めようとしている学習過程が明確であり,内容がよく分かるものであった。それぞれ1年生,6年生の授業であったが,なによりも児童がしっかりと話し合ったり,資料をもとにまとめたりしているところから成長を感じた。
研究授業は,「スマイル!」を活用した特別活動の授業。「言われて嬉しい言葉」をテーマとするものであった。かなりしっかりと授業を組み立てられて,実施された授業であった。終了後,番組の活用について,それに対するワークシートのあり方,といったように協議の柱に沿って,短い時間で的確かつ深い振り返りがなされており,先生方の議論のレベルが上ったように思う。「しっかり」から脱却を図るところがポイントだろうか。
私からはそれらの中で出たことを再度確認しながら,同校にとっての次のステップである,「深い学び」や成長に向けた継続性,先生方の授業の共通化から個性化の段階について話した。次は8月に指導案検討会を実施する予定。

今津小学校公開研究会(ICTコーディネーターとして)

今年度から,大阪市のICT活用推進に関するコーディネーターになった。このコーディネーターは約10人おられる(ほとんどご存知のかたばかりだ)が,私もその末端に加わることになった。大阪市のモデル校は数多く,これらの学校等の指導助言等に必要に応じて関わる。
いちばんはじめに赴くことになったのは,今津小学校で,先日訪問をした。モデル校A2タイプ。社会かと音楽のふたつの授業が公開され,いずれもすでに長く取り組んできた様子がうかがえた。前年度の同校の課題に基づき,他の人の参考にもなるように,講演をした。その後,この学校にあと2回訪問することが決定したので,継続的に関わることになった。

久保田賢一・今野貴之(編)「主体的・対話的で深い学びの環境とICT」が出版されました

標記書籍が出版された。Amazonでも掲載されている。

タイトルの通り,主体的・対話的で深い学びをキーワードとして,それを実現するためのICT活用や学習環境について記されている。ひとつの特徴としては,とりあげられている実践の幅広さがあげられるであろう。東信堂のページには,目次があるので参照されたいが,これまでの関連書籍とは全く異なったバリエーションがある。ロボットの活用,ゲームの利用など,こうしたたぐいの書籍ではこれまであまり触れられなかったものである。加えて,初等・中等教育だけではなく,高等教育の事例が含まれているのも特徴的であり,幅広い読者を対象としている。

私は第一部で,「学び続ける専門職としての教師」ということで執筆した。教育の情報化が進む昨今で,どのような教員の養成や研修が求められるか,そのことについて執筆した。また,本書は教員養成の講義での教科書として活用されることが想定されているので,編著者のリクエストに応じて,講義で使われることを想定した問いかけを積極的に入れることにした。

本書のもうひとつの特徴として,関西大学大学院総合情報学研究科で編著者の一人である久保田教授のもとで勉強した人たちで構成されているという点がある(最近では,同じ学会の人でもこれらの人が同じ研究室の出身だということを知らないかもしれない)。こうした研究室単位での執筆というのは,特に内容が偏りがちになってしまうが,執筆者がそれぞれやっていることが気持ちいいまでにバラバラなので,内容の多様性をもたせることができているのではないかと思う。その一方で何らかの共通点を探るとするならば,みんなどこかでの教育現場での実践研究を試行錯誤的に積み重ねているというところにあるだろう。各章の実践からみんないろんな苦労をしてるんじゃないかなと思った。

機会があれば手にとって読んでいただければと思う。なお,本書は以下の書籍の続編的な位置づけなのだそうだ。

大阪市学校教育ICT推進リーダー(第2期)

昨年度に引き続き,今年も大阪市教育センターと大阪教育大学教職大学院の連携による学校教育ICT推進リーダー研修がスタートした。今年度,大阪市全域に募集をしたこともあり,18名でスタートした。

この講座は,大阪市と教職大学院が連携した取り組みであるが,その分複雑さがある。当該研修が,時として大阪市ICTフロンティア研修,時として教職大学院の講義とタイアップして進められる。初回は大阪市ICTフロンティア(3年目)との合同実施。この人達は昨年度の講座を受けているので,全く同じことができない。加えて,その中には昨年度の学校教育ICT推進リーダーの修了生もいることから,直前までどのような内容で研修としての第1回めを飾ろうかと悩んだ。会場へ行ってからもバタバタしたが,なんとか終了することができた。大阪市の先生方も忙しい状況の中で,12月まで継続的に進めていく。修了生も欠席はいたけれども,再度あえて嬉しかった。ぼちぼちと活躍の場が広がってきているようだ。次回は8月に大学での開催となる。

なお,この取組は2年目に入るので,維持・発展の取り組みについても同時にデザインをしている。幸い,部局内の経費をいただくことができたので,修了生も研修を受ける以外に,別の形で学びを継続してもらう予定だ。

課題研究の募集(日本教育メディア学会)

11月24日,25日に開催される日本教育メディア学会において,課題研究のコーディネータを担当することになった。テーマは,教員養成,教員研究で,奈良教育大学の小柳先生と担当する。以下に趣旨を掲載するので,発表を希望される方は,こちらのページを御覧いただきたい。プロポーザルの締切は7月16日とのこと。

教員養成、教員研修での教育メディア研究の今〜知見の蓄積に向けた体制整備を考える〜
コーディネータ:小柳和喜雄(奈良教育大学)、寺嶋浩介(大阪教育大学)
概要:これまでも教育メディアを活用した取組を通じて、未来の創り手となるために必要な資質・能力、例えば学習の基盤としての情報活用能力、メディア・リテラシーなどを育成しようとする様々な取組が、教員養成、教員研修で行われてきた。しかしながら、その取組をどのように整理し、共有できる知見として表現していくかに関わって、伝統的な研究手法による手続きが壁となり、貴重な研究成果が表に出ない場合もあった。本課題研究では、教員養成・教員研修の現場で、教育メディアを内容としてとらえ教える工夫、教育メディアを方法・道具としてとらえ、それを用いて教える工夫などについて、その持ち味を活かした研究知見を表現し、蓄積していく上で、何が壁か、何が必要となるのかを論議していく。