インタビューの面白さ

今年度から今まで研究という意味では関わりのなかった,ある研究グループに参加させていただいている。今回,この研究グループにおいて,ある方に対するインタビューが行われた。 インタビュイーに関わるライフヒストリーみたいなもので,それ自体が大変興味深かった。いつも一番不思議に思えるのは,その方がだいぶ前にも関わらず,その当時のことを自身のストーリーに乗せて詳細に報告してくださることだ。やっぱりその道のプロだからなのだろう。自分に置き換えてみると,自分がそのような立場になった際に,本当に語れるかどうか・・・その際に何を拠り所にするのかなどを考えながら聞いた(私の場合,自分の職務に置き換えると,その時の職務,研究業績,記録としてこのWebにも残している講演の経験かなと思った)。

また一人の方に対して,数名が訊ねているので,それぞれの見方からより深めるように質問がなされるので,その質問や意味付け自体も大変興味深かった。ちょうど質的データの分析について書籍を読んでいたところだったので,それとも関連をさせながら聞いたりした。インタビュアーが誰かによって,構成される世界も変わってくるよなあ。久しぶりに,研究の奥深さを実感する機会となった。が,論文になるかどうか・・・面白いけど,そこからモノになるかどうかが大事だ。

JSET2019秋季全国大会

日本教育工学会2019年秋季全国大会は,自分にとって特に思い出深い大会となった。 年間1回,3日間の大会について,2日間☓2回にした初めての大会である。大学ではない会場での実施の方針を立て,多くの会場を探したり,担当の方に相談をしたりした。今回の会場に初めて訪問した際は,ひとりで訪問をしている。会場を担当していただいた実行委員会の先生方は,準備にかなり苦労されたと思う。本当に感謝を申し上げたい。

国際シンポジウムについても,Susan先生の受け入れ対応などをおこなった。コーディネーターの望月先生,根本先生には大変なご負担をおかけした。途中から,大会企画委員会の古田先生にほとんどを取りまとめていただき,感謝しかない。当日はいち聴衆者としてみていたが,大変勉強になるシンポとなった。

あと,今回こんなことが重なると思っていなかったのだが,学会の論文賞をいただくことになった。今回のテーマで賞を取ることになるとは思わなかった。以前採録になったときには,いいものができたと思って時任くんと二人で飲んだのは結構前。多くの方に評価されて素直に嬉しい。これを機会に目を通してくれる人が増えるといいなと思う。

大会企画委員会委員長を6月まで担当し,今回終了までは同じように続けようとは思ったが,メール等連絡が遅れがちで,当時副委員長で現委員長の姫野先生を中心に相当なご迷惑をおかけした。結果,台風の脅威に怯えてこともあったが,とてもよい大会が開催された。 本学会の出席に関しては本来大学業務があったものの,職場も理解もえることができた。みなさんに感謝します。 ようやく,今度からは一会員としての参加となる。大会企画委員会,8年だったかな,よく務めたものだ・・・。

関西教育ICT展

月単位でいつもカレンダーを見ていると,次の月初めの仕事の存在が見えないというトラップが発覚・・・

8月1日12:00より,関西教育ICT展のパネルディスカッションに司会として登壇をします。タイトルは「ICT活用はじめの一歩と次の一歩」ということで,導入期と発展期の具体的な事例を4名の先生方にお話いただきます。

詳細は,プログラムを。

論文採録

昨年投稿をしていた論文が,長きにわたる格闘の末,無事採録された。

Terashima,K., Nakagawa, H., Kobayashi, Y., & Murai, M. (2019)
Technology Integration Changes over Three Years: Teacher Technology Acceptance in a One to One Tablet PC Integration Across Cities.
“International Journal for Educational Media and Technology” 13(1)
pp.17-26. (2019年7月15日)
online: http://jaems.jp/contents/icomej/icomej.html

本論文は,ある地域に導入された一人一台タブレット端末の活用が3年間かけてどのように進んだか(教師がどのように受け入れていったか)を教師に対する調査をもとにまとめたものである。

日本での教育の取り組みを英語でも発信していくことが重要であると考えている。しかし,それを日本の教育的な文脈がないところにどう伝えていくかについて,特に難しく感じた。このような点から,理論的な文脈についても検討を重ねた。

論文が採録されるまでのプロセスは大変で,特に査読結果に対する修正は,毎日頭を悩ませた。採録まで楽な査読論文は,ひとつとしてない。若い頃は,慣れればマシにはなると思っていたが,残念ながら,変わらない。

時間がない中,すぐにアドバイスをくれた共著者のみなさんと有益なコメントを下さった査読者の方に感謝します。

現場との距離

最近事務の方からも「あの人は研究をやっているのか?」と心配されているので,たまには研究についても触れてみたい。

先日,後輩研究者に研究の中身について,提案をしたところ,「現場に近すぎます」と言われた。それは裏を返せば,「ちゃんとした理論があるのか?」ということになるかと思う。そうです。確かにそのとおり。結構反省をしました。ということで,その事も含め,少し考え直すことにした。

実は普段も,自分でやりながら,自分にこのことを投げかけていることがよくある。理論あらへんやん,みたいなこと。「理論と実践の往還」とはよく言うのだけれど,自分としては現場の状況をくみ取って,こうだからという明快なロジックを組み立てて,その対応方策を論じなければいけない。この「状況」がほんとに多くのところで当てはまるのか,なぜその対策か,というのは説明できないといけないのだろう。

加えて,私が対象とする教育の現場は,様々なレベルがあることも忘れてはならない。最近,私も外部の人間として,学校に行くだけではなく,教育委員会等で,政策に対して意見を求められたりもするようになった。ここもまた現場とはいえ,実際の学校とは論理が異なる。

様々なレベルを越えて,どちらの状況も知りながら,あるところで提案したものが,適用先でうまく行っているのか,何が問題なのか,実際に目で見なければいけない。それを数ヶ月前,あるところで聞き,自分も意識しないとなと思った。

研究ー現場という横軸,教育現場の縦軸,いずれの場所にも立ち,その場なりのアクションができる,ということが重要なのだろう。