教育実践研究をまとめる(13)計画をまとめる

これまで,(4)で目的をまとめること,(11)において結果をまとめることの一部について紹介をした。その目的と結果の間に入るのが通常の研究では,「方法」となる。


一般的な研究では,例えば次のようになる。
目的:〜について明確にする。
方法:調査のためのデザインとしてどう考えたかを述べる。そのうえで,
XXX名に対してアンケート調査を行う。YY名に対してインタビューを行う。あるいはその組み合わせ,など調査分析に関する方法を述べる。
結果:アンケート調査(あるいはインタビューなど)の結果を集計し,図○○のように整理したところ,このようなことがわかった。などと記述。
といったように,「方法」にあたるところは,目的を達成するために,どういう調査デザインで,どのように評価のためのデータを収集したかについて述べることになる。

ここで,教育実践研究においては,どのようにまとめればうまく伝わるのかを考えたのだが,「方法」という言葉よりも,「実践計画」「評価方法」という言葉を使い,節を設けるのが適切なのではないかと考えた。この項目では,以下について記すと良いと思われる。

実践計画
・計画をデザインするための方針や原則
・現場の状況
・方針や状況に従い,実際に計画したこと
 実際に計画したことが,方針や状況とどのような接点を持つのか。

評価方法
・評価のためのデータ収集の方法

私もこれまで「方法」と指導をしており,このことについてうまく伝えることができていなかったことに気がついた。特に学会発表を考える人によくあるのだが,どのような計画をして実践をしたのか書かずに,データ収集の方法がよく指摘をされるためこの点だけに注力をする人がよく見られる。論文の査読などでも同じような経験をした。一般的な研究の枠組みに従ったためにこの様になってしまうのだと思う。教育「実践」研究なのだから,評価方法以前にどのような文脈で行ったのかその実践の計画が重要である。特に,実践の計画に関して詳細な記述をすることを考えたい。