近年、研究を進める上で、研究倫理を考えることは避けて通れない重要な課題である。実際に研究倫理に関わる様々な問題が発生しており、それを防ぐためにも、教育実践研究に取り組む人はこの問題に真摯に向き合う必要がある。
しかし、研究倫理を学ぶことや指導することが、どこか暗く重いものに感じられる場合もあるのではないだろうか。過去の事例や「これをしてはいけない」という教訓を通じて学ぶ過程で、不安や責任の重さを感じることは少なくない。さらに、研究を進める中で「これで正しいのだろうか」という疑念が生じることも多い。こうした悩みは、研究倫理を考える上で必ず出てくる場面である。
しかしながら、研究倫理を考えることには意義がある。例えば、倫理審査申請書を作成する際には、自分の研究の目的や計画、予想される課題を他者に理解してもらう必要がある。この過程を通じて、自身の研究計画がより明確化され、研究の進行において重要な役割を果たす。これにより、研究内容が精査され、質の高い成果報告を目指す道筋が整えられる。
研究倫理は単なる規制やルールではなく、研究そのものを発展させ、信頼性を高めるための重要な枠組みである。教育実践研究者としての責任を果たすとともに、研究の質を向上させるための一助として、前向きに取り組むことが求められる。