教育実践研究をまとめる(20) 結果をどうまとめるか(その1: 実践の内容)

これまで,計画段階のこと,結果や成果と「実際にやったことは異なる」ということを示してきた。

こうしたことを踏まえ,教育実践を行った際,どのようにまとめるかについてまだ具体化していなかった。今回は,このことについてまとめる。

通常の論文でいくと,「方法」の次の「結果」にあたるセクションである。しかし,「結果」を書きましょう,と言われ書くだけでは,見落としてしまうこと,伝えきれないことがある。

この「結果」セクションにおいては,大きくは次のような情報が必要である。
1.実践した内容
2.その内容の評価
本稿においては,まず1について説明をし,覚えていたら次の投稿で2について説明したい。

この1において書くことは,次のようなことである。なお,その前には先の記事にあるように,「計画」を執筆している前提とする。

  • 計画どおりに,実際に行ったことや行えたこと,計画にそって進めたときに実際に起きたこと
  • 計画と異なったところ,意図していなかったことで実際に起きたこと,突発的に対応したこと,
  • 計画と比較し,なぜそうなったのか

計画したことはあくまで机上のことなので,計画通りいったとしてもその実際の詳細について書く必要がある。そして教育実践が100%計画通り進むことはまずありえない。このことから,以上が何だったのか,実践した内容をまず明確にすることが必要である。「結果」だからいきなりアンケートのデータを並べられても,実践内容がないとなんのことかさっぱりわからない,ということになる。

そして,この実践内容に当たっては,それを特に誰が行ったのか,主語を明確にすることが必要である。教育実践研究をまとめる際には,行う主体は自分自身である。しかし,実際に起きたことなどをまとめるとすると,児童・生徒が反応や,他の教師の対応などの情報が入ってくることが予想されるからである。

次回は上記2についてまとめたい。