資料がダウンロードできなかった方は,
tera@@@tera-lab.net
へご連絡ください。( @はひとつです。)
「未分類」カテゴリーアーカイブ
2023年度を振り返って
本年度の途中から大阪教育大学での生活は10年目へと入った。あと半年ほど務めると,その長さは前任校の長崎大学と同じ長さになる。そんな長さになったのだなと思う。
これを書く前に前年度の取り組みを見たが,今年度は劇的に何かが変わった訳ではないが,少しずつ変わってきていることも実感した1年であった。
研究では,代表者となっている研究が3年目で,目指していたシステムがある程度開発され,調査を重ねている。もちろん思ったように進んでいないところもあるけれど,計画として想定していたことはある程度出来ている。これは分担者のおふたりによるところが大きい。論文化を検討することになる。この他紀要論文が発行予定である。企業との共同研究もいくつかあるが,今後どう進めるかは課題になっている。
教育においては,連合教職実践研究科を中心に担当している。今回で4回目となるようであるが,現職教員の大学院生を送り出している。今年度は特に順調であったが,来年度は人数が多めとなること,自分の担当授業を考えると時間のやりくりが課題となりそうだ。講義のティームティーチングの多さ,その組み合わせが多いのが大変で,連絡調整等に苦労をしている。しかし今年度は1月に体調を崩した際,多くの先生に助けていただいた。そして他の先生方から学ぶ機会も多く,組織全体としては必要なことであることも実感をした。
学内の活動においては,2024年度からの大学院の改組を控えていた時期で,特に教務の科目廃止や時間割の編成等において苦労を要したが,4月からはこれらを軌道に乗せていくのが大変そうだ。その他,大学全体として進めている取り組みに関わることも増えてきた。こうしたことにより参加する会議も増えたが,4月以降もさらに増える見込みである。いろいろな取り組みの中でも,今までにはコミュニケーションを取ることがなかった先生や職員の方にお会いできたのは良かったと思う。
学内のことが増えたため,対外的な仕事は減った(というができなくなった)。非常勤講師は大阪公立大学だけお引き受けしていたが,今年度で終了させていただくことになった。校内研修や講演は,1-2割減った。ただその中では複数回関わる自治体や学校があったことは自分にとっても良かったと思う。時間はかかるが,引き受けて終わりではなく,打ち合わせなどを通して実施することを明確にするように努力した。あと,学外の会議や取り組みに関しても参加する機会も例年通りあった。
学会については,日本教育工学会では,総務委員会を担当しているがようやく少しは分かってきたところ,そして来年度は選挙管理委員の仕事を進めていくことが大きなものとなる。ショートレター編集委員となったが,次年度は幹事という役割となり,重くのしかかりそう。重点領域活動については,先日ようやく論文が発行され,時間がかかったが最後までなんとか成し遂げられた。みなさんに感謝。日本教育メディア学会では国際誌の担当,日本教育工学協会の学校情報化認定は力尽きかけ気味であまり貢献できなかった。本当に申し訳ありません。
来年度からはさらに仕事が増えそうである。体調の管理は相変わらず必要であるが,体調を壊しても心配しなくてよいぐらいに仕事をしつつ,研究的に考えられる場面が増えると良いなと思う。
教育実践研究をまとめる(18)マイ・プロジェクトを進めるために
教職大学院の実践研究も,通常の研究とまでは行かないが,ある程度構成的に書かなければ,他者に伝えることはできない。自分のやったことを時系列に伝えるだけでは,「それってあなたの日記ですよね?」という指摘を受けることになる。
一方,それを背景ー目的ー方法ー結果ー考察ーまとめというフォーマットに落とし込んで伝えようとするならば,見た目は良いのかもしれないけれど,あまりにもキレイで,より客観的なものになり,その良さが失われるようにも思う。こうしたことは何度も書いてきたように思う(書くのがあまりにも久しぶりで忘れているけれども)。
後者は成果として焦点化されたものであるからできれば他の人にも参照可能な知見としてぜひまとめたい。しかし,前者には価値がないのだろうか?
私は研究者教員でもあることから後者を重視してきたが,長らく進めてくると,前者にも当該本人にとって大きな価値があるのではないかと思えるようになった。
例えば,ICTを活用した授業研究を学校内で進めようと自分で企画をするとする。それは時間をかけて先行的な実践を検討したりして計画をしたものであれば,頑張って実施して良い成果を収めたい。
しかしそうはうまく行かない。学校内の授業研究グループで提案をしても,自分の伝え方に原因があり,あまり受け入れられないこともあるかもしれない。そもそも,それを検討するに当たりグループでの打ち合わせをしようとするもみんな忙しくて日程調整が敵わない。このようなことを通して,思ったことがうまく進まない院生が大半である。
でもそこで足を止め,少し振り返って「こういう方法で発信すればよいのだな」とか「管理職よりも先にAさんに相談をすればうまくいくのではないか」など考えたりしてみる。このようなことが今後自身の職務をうまく進めていくときの知見や教師としての力量にも繋がってくるのではないだろうか。
すなわち,自身の教育実践研究をひとつのマイ・プロジェクトと捉え,その試行錯誤を含む取り組みを通して,自身の力量を省察していくことが「学校における実習」,個人的な視点を少し削ぎ落としつつ,他者も参照可能な客観的な研究知見になりそうな主なところをまとめていくのが「実践課題研究(修了の報告書)」という捉え方で良いのではないだろうか。
その際,前者と後者の発表や成果物をどの程度切り分けるか,同じ情報からそれは判断できるのか,あるいはその比重は,などといったところは個人のキャリアなどにも大きく関係するのではないかと考える。
教授昇任
この4月より,大阪教育大学・総合教育系・教授に昇任いたしました。今までご指導くださった方々,一緒に学んだり,働いた方々,すべての方々に感謝申し上げます。
また,学会や教育の現場で一緒に仕事をしたり,研究をしたりなどお付き合いさせていただいてきた方,もちろんその他の周りの方々にも感謝申し上げます。
所属となる系も少し変わりましたが,引き続き天王寺キャンパスにて連合教職大学院で中心に働く予定です。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。このサイトも引き続きぼちぼち更新したいと思います。
2022年度を振り返って
本年度の途中から大阪教育大学での生活は9年目へと入った。前年度である2021年度はJAETの全国大会などや本務のことでなかなか忙しかった。また,昨年度末に体調不良が長めに続いた。そこから再スタートを図った年度であった。
研究では,代表者となっている科研費による研究が2年目に入った。少し気を許すとすぐに時間がたってしまうが定期的にミーティングを行うことができたし,ペーパーベース版から,電子システム版の開発へ移行し,パイロット評価を行うところへ行っている。次年度はさらに進めたい。分担になっていた科研は,なかなか協力できなかったが,まとめて学会で発表することはできた。論文化を考えたい。この他,代理ではあったが数年ぶりに研究会で発表したり,学内の業務の関係で紀要論文が発行されたりした。今年度得られたデータ等をもとに,論文としてアウトプットしていくことが特に次年度の課題となる。企業の方とコンタクトをとることが増えそうなので,なにか共同研究ができると面白いと思うが,いわゆる研究室体制があるわけではないので悩ましいところ。
教育においては,現職教員の大学院生を中心に担当することになってから3回目の修了生を送り出している。今年度は現職教員のゼミ生もいよいよ全員が年下となった。昔はある一定のレベルに達することが主眼であったが,現職教員といってもキャリアが様々なので,それに配慮した指導が必要であることを痛感した。講義に関してはティームティーチングが多く,かつその組み合わせが多様なので,連絡調整や打ち合わせも多く大変なところがある。ただそれを通して多くの方の考えに触れることができ,研究のことを考えることにつながっている。
学内の活動は,教員養成フラッグシップ大学に大阪教育大学が採択されたことが自身の仕事にもある程度影響するようになった。自身のこれまでの取り組みや人的ネットワークによって貢献できればよいのかなと思っている。大阪市と連携して行ってきた学校教育ICT推進リーダー研修は修了生が100名に到達したこと,大学院のカリキュラムが変わることが予測されることを踏まえて,一旦この形を終了させていただいたが,また別の形での取り組みが企画されている。
できるだけ学内のことを優先し,学外の活動については控える方針にしている。定期的に訪問をした学校は加古川中学校,ここでは公開研究会が11月に行われた。あとは複数回訪問をする学校と単発で訪問をするところが数校。数年にわたりお付き合いするところも出てきた。今年度は大阪市だけではなく,堺市や大阪府,府内市町に行く機会もあった。結局終わってみれば,講演や研修は過去最多クラスの数だった。オンラインも多かったが,今後は学校を訪問し,授業を拝見する良い機会になればと思う。この他いくつかの委員等の仕事があった。
学会については日本教育工学会では,重点領域活動・情報教育の部会長を務め,当初予定の一区切りに到達した。まとめの作業へと入る。なお,数日前に理事へと復帰することとなった。日本教育メディア学会では,国際誌の担当だが,今後本格的な活動に入る年度となる。
こうやってまとめてみると,仕事の変化期に入ったのではないかと思う。体調第一に,ちょっとだけ前進したい。