デジタル教科書を活用した情報提示の事例

神戸へ向かい,日本文教出版主催の「デジタル教科書セミナー」に出席した。2年連続となる。講演の時間を1時間いただき,次期学習指導要領向けた動向,その中でのデジタル教科書位置づけなどについてお話をした。連合教職実践研究科の院生も3名来てくれて嬉しかった。
後半は,事例紹介や実際にサンプルを利用するワークショップが行われた。授業展開が考慮されている教科書がデジタル化されているわけだから,それを単独で用いても利用しやすいので,先生方にとっては有力なデジタルコンテンツのひとつとなる。加えて,それをさらに充実させようとすれば,何か対比的に情報を持ってくることができればさらに深い理解へと到達させることができる可能性がある。中学校美術科の実践報告においては,同じ作り手の作品を対比的に示したり,違う角度からの作品を提示したりして,生徒の見方をさらに深めようとしていた。今後はタブレット端末の導入や技術的な進展ともあわせ,さらに児童・生徒の主体的な学習への流れが進むであろう。
昨年,「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議が開催され,この段階での「最終まとめ」が出された。今後紙の教科書だけではなく,デジタル教科書がどのようになっていくのか,それは今後の教育の方向性とも大きく関わることになるので,その動静について注目したい。