「仕事」カテゴリーアーカイブ

同世代の頑張りに刺激を受けて(日本教育工学会研究会)

信州大学へ。日本教育工学会研究会に参加した。発表がものすごく多く,他の学会とも共同開催だった。
今回は連名のみの発表であった。島田先生はさすがの安定感。今回島田先生の科研に入れてもらい,島田先生や木原先生から学ぶことが多かったし,教育研究への見方が広がった。科研には貢献できず申し訳なかったが,ここで得られたことは,自分にとって今別のところで役立っていると思う。成果物となる指導主事用のルーブリックがまとめられたリーフレットは間もなく発行の予定。
ところで,本研究会では,同世代の研究者との議論や発表の姿を見て刺激を受けた。深見さん@島根大や北澤さん@東京学芸大は,学生を研究会に連れてきて発表の場を与え,経験を積ませていた。今までの経験から考えると,指導にすごく時間をかけておられるだろうと思った。今の僕にとって同じことをするのは難しい状況があるのだけれど,別の形で頑張ろうと思う。また,根本さん@愛媛大とは発表後,色々と議論できた。最近学会の参加はその立場から運営ごとの心配ばかりで,正直研究の議論に参加をしているという感覚がなかったのだが,出席して久しぶりに楽しむことができた。
今後の研究に関する構想も湧いてきたので,ちょっと頑張ってみようという気になった。
午前,午後ともひとつの会場に滞在し,他の教室にいて会わなかった人もおそらくたくさんだったのが残念。

尼崎市におけるアクティブラーニングのシリーズ研修が終了

尼崎市の各中学校から代表者が送られ,尼崎市教育総合センターで,本年度アクティブラーニングに関する研修が進められてきた。先日その最終回(第7回目)が行われた。これまでの成果について,外部参加者を含めグループでの交流が行われた。外部参加者がもっと多ければよかったが,それでも他地域の先生方や教育委員会の方もコメントくださって,最後のまとめてとしてはうまくいったと思う。
参加者の事例発表については泰山くん@鳴門教育大がうまくまとめてくれた。私は一応7回とも参加したけれど,彼がいなければ最後まで進めるのは難しかったと思う。声をかけてよかったと思った。
終了後の懇親会も盛り上がった。次年度も再デザインし,継続される予定。この取組については,どこかにまとめたいと思う。悩んだこともあったが,新しいチャレンジとしてとても良いものになり,自身の今後の研究について多くのことを考えることができた。

ICT活用をすすめる教育委員会の取組事例を聞く

文部科学省へ。平成28年度文部科学省委託「ICTを活用した教育推進自治体応援事業」の成果発表会が行われた。わたしは,ふたつあるコースのうち,本年度から指導力パワーアップコースの委員を務めており,出席をした。

いくつもの教育委員会が,これまですすめてきた研修プログラムの開発や実践事例について披露をしており,大変勉強となった。多くのところが今後詳細な成果を発表することになるだろうが,その他多くの教育委員会にとっては大変参考となるだろうし,自分たちで進める場合については是非そうした方が良いだろうと思った。

このような取り組みを進める教育委員会,一方でいろいろな障壁があり,なかなかすすめない教育委員会。その差は一体どこにあるのだろうか?学校での実践研究を論じた研究は数多いが,教育委員会による実践研究の活性化を対象とした研究はどの程度あるのだろうか?少し気になった。

実践研究知見の普及を考える(教職大学院全体RM)

先週末,本学教職大学院の全体リフレクションミーティングが開催された。私は普段,学部卒院生の所属する教育実践力開発コースを担当しているので,現職教員院生の指導には当たらない。このような時を利用して,現職教員院生の取り組みを見て回ることが多い。
ポスター形式で,いくつかの発表を聞いて回ったが,かなり質が高いと思った。うちの大学院では,(個人が抱える課題ではなく)学校や勤務先委員会やセンターの課題を解決することが設定されている。また,成果を報告書だけではなく,成果物を通して明確にしているのも,特徴的だ。例えば当日私がもらったのは,地域貢献推進の手引,教育委員会指導主事が校内研究の支援を見つめ直すためのリーフレット,小中連携・一貫教育を進めるためのリーフレット(自己診断ツールもある)などがあげられる。その他に,実際に開発したカリキュラムなどについて,情報交換できた。
実践研究として報告書にまとめるのは,絶対必要だ。一方,普及や今後のアクションを考えるには,現場にそのまま還元できるような成果物が求められる。多くの大学院生がそうしたことに取り組んでおり,素晴らしいなと思った。こういうのが教育工学アプローチだと思う。加えて言うならば,それを活用し,どこまで拡げることが出来たか,あるいはどういう戦略を持っているか・・・というところがさらによい実践研究の条件となるだろう(ただ「政治」や「制度」として片付けるのではなく)。それが見られた発表とそうでないものがあったというように思うが,後者の院生も今後現場で普及のためのアクションや知見をさらに出していただけると良いのではないかと思った。
しかし,これを働きながらやっているところがすごいと感じる。恐れ入りました。

頑張る関西の若手教員たち

昨年できたばかりの関西大学梅田キャンパスにおいて,「今後の『ICT教育』について考えるワークショップ」が行われた。私の母校である関西大学大学院総合情報学研究科の修了生で,教員として活躍する人たちが,関西大学の久保田賢一先生のすすめで,企画したという。この度久保田先生から基調講演をお願いされ,お引き受けした。久保田先生は,これまでもっともお世話になった先生のひとりで,このような機会で協力できるのは嬉しいこと。日曜日で直前の案内にも関わらず,多くの人が集まっていたことに驚いた。

教職歴はほとんどが10年以下で,関西大学の現役学生も多い。できるだけわかりやすく事例も豊富でイメージ化できるように説明をしたつもりだ。後半は,グループワークでICT環境整備や事例のことについて議論し,検討をしていた。久保田ゼミの3回生が頑張って議論の場に入っていて,昔とかわらんね,と思った。

この会は,猪飼先生@尼崎市立創成高校,勝田先生@大阪府立東百舌鳥高校,時任先生@関西学院大学が中心となり,今後も継続的に頑張っていくのだそうだ。若手教員と研究者がタッグを組んで学生も巻き込みながらすすめていこうとするという姿に,パワーを感じた。若い先生方が頑張る姿に刺激を受けた一日だった。近くで興味があるひとは,参加をしてみては?