実践研究知見の普及を考える(教職大学院全体RM)

先週末,本学教職大学院の全体リフレクションミーティングが開催された。私は普段,学部卒院生の所属する教育実践力開発コースを担当しているので,現職教員院生の指導には当たらない。このような時を利用して,現職教員院生の取り組みを見て回ることが多い。
ポスター形式で,いくつかの発表を聞いて回ったが,かなり質が高いと思った。うちの大学院では,(個人が抱える課題ではなく)学校や勤務先委員会やセンターの課題を解決することが設定されている。また,成果を報告書だけではなく,成果物を通して明確にしているのも,特徴的だ。例えば当日私がもらったのは,地域貢献推進の手引,教育委員会指導主事が校内研究の支援を見つめ直すためのリーフレット,小中連携・一貫教育を進めるためのリーフレット(自己診断ツールもある)などがあげられる。その他に,実際に開発したカリキュラムなどについて,情報交換できた。
実践研究として報告書にまとめるのは,絶対必要だ。一方,普及や今後のアクションを考えるには,現場にそのまま還元できるような成果物が求められる。多くの大学院生がそうしたことに取り組んでおり,素晴らしいなと思った。こういうのが教育工学アプローチだと思う。加えて言うならば,それを活用し,どこまで拡げることが出来たか,あるいはどういう戦略を持っているか・・・というところがさらによい実践研究の条件となるだろう(ただ「政治」や「制度」として片付けるのではなく)。それが見られた発表とそうでないものがあったというように思うが,後者の院生も今後現場で普及のためのアクションや知見をさらに出していただけると良いのではないかと思った。
しかし,これを働きながらやっているところがすごいと感じる。恐れ入りました。