「仕事」カテゴリーアーカイブ

反転授業の実践研究を進めつつある学校への訪問

先月,パナソニック教育財団のアドバイザーとして,愛和小学校への2年間の訪問を終えた。今月から,2年間新たな特別研究指定校への訪問が始まった。篠山市立丹南中学校。同校は,反転授業をテーマとした実践研究を進めようとしている。まずは事前挨拶として訪問させていただいた。
訪問をしてみると,すでに実践を蓄積しており,実際に活用している映像教材も見せていただくことができた。今後,多くの教科や地域での普及が見込めそうであることに確信を持った。研究上の課題について,いくつか情報交換した。
また,同校の取り組みについては,本サイトでも折りに触れ取り上げていきたい。終了予定は平成30年3月。遠い将来のことのようであるが,きっとすぐにやってくるであろう。

「教育工学的アプローチによる教師教育」が出版されました

この年度初めに書く話でもないのだけれど,「教育工学的アプローチによる教師教育」という書籍が先月,出版された。教育工学会が選書シリーズとして継続的に出版しているうちの1冊となる。この中で,私は「教育の情報化に対応するための教員養成カリキュラムのリニューアル」というタイトルでひとつの章を執筆している。教育工学の中で,教師教育と教育の情報化の間に立つ私にとって,良い機会となった。興味のある方は,お買い求めいただければと思います。

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2015年度を振り返って

今日で年度も終了。1年間を振り返っておく。

研究的には,大教大の1年目というよりかは,長大のロスタイムといったところか。時間がなくてできなかったアウトプットに終始した。結果,以前の科研費の成果を論文や書籍にまとめることができた。本年度から新たに受けた科研についても,成果に繋がるように下地を整えているというところ。その他分担として加わっている研究についても,まだ立ち上げ期のものもあるが,数年続いたものは論文や発表につながり,充実した。文章でのアウトプットを増やすべく,学会発表は抑えた。国際会議は封印中。

教育においては,新しい所属で立ち上げ期でもあり,これまでとは関わり方はかなり変わった。特に年度半ばで実習を取り仕切る立場となり,心配事が耐えなかった。ある程度予想はしていたが大変なこと,予想していないこともいっぱい起きた。何か起きた時に,どう対応するかというのが問われる。

この他対外的なものについては,講演や指導助言などがやや増えた。後期に大阪ICT活用セミナー,JAET教育の情報化実践セミナーの2本を抱える中で,今後このようなイベントにどのように関わるかを考えさせられた。もっとも予想がつかなかった事態は,日本教育メディア学会の事務局長や日本教育工学会の大会企画委員長になったこと。悩ましいことがそれなりに増えた。学内の会議を取り仕切る機会も出てきたのと同時期でもあって,年齢を重ねるにしたがって仕事の質が変わってくることを実感した1年だった。

いろいろと反省はあるけれど,よく考えてみると3ヶ月の助走を経て大教大の1年目。まだ1年しか経っていないことに驚きつつ,まあこんなもんかなとも思う。1月に40歳を迎えたが,今後10年間の準備助走期間となる1年であった。異動はやはり転機となる。このふわふわした状態は,もう少し続くと思う。

アウトプットの中で学ぶ

この2ヶ月,あったことをなかなか書ききれなかったのは,セミナーや講演など,人前で話す機会が異常に多く,その実施や準備に時間が割かれたためである。やっぱりパワーが要りますね・・・。今までここに書かなかったものはおおよそ以下の様な感じでした。

  • 佐賀授業デザイン研究会:この日は大学院のRMにもあたる日だったのだけれども,ずっと前からおさえていた日であったので,佐賀に向かった。アクティブ・ラーニングの授業づくりがテーマ。佐賀の先生方は大変熱心だった。
  • 尼崎市教育センター:ふたつある教育の情報化部会における指導助言。いずれも着実に頑張っているところを,どう発信していくかが重要だと思った。来年度は衣替えするが,お付き合いは続きそう。
  • JSET-SIG「教師教育」パネルディスカッションの指定討論者として登壇。この分野で呼んでいただいたことがとても嬉しかった。自分の科研のキーワード「学び続け,変えられる教師」を披露。悪くないワードであることを実感した。
  • 同じ天王寺キャンパスにある第二部のFD「教育方法の新たなる潮流」にて,現在の潮流について,初等・中等教育から高等教育までを絡めて。ここでも,アクティブ・ラーニングが話題。隣の部局となるので,仲良くやっていければ思う。
  • 多摩市立愛和小学校公開研。2年間同校に入っていた立場から,やや保守的に同校から学べることについてお話をさせていただいた。当日の様子がICT教育ニュースにまとめられている。
  • JSET実践研究活性化。研究者の視点から,教育工学の知見をどう現場に還元しているか。インストラクショナルデザイン,ICTインテグレーション,専門的な学習共同体の視点を報告。教育問題はなんでも言えるので,理論的な側面を強調していることを報告。
  • 大阪市立城陽中校内研。ここもアクティブ・ラーニング。中学校で,どういうことを基盤にやっていくか。共通理解はある程度同じような感じなので,それを来年度以降どう具現していくか。
  • D-project。3年ぶり(?)の登壇。同志社の素晴らしいチャペルでお話させていただく。主体的・協働的な学びとは。今時ではあるが,難しいテーマであった。中橋くん@武蔵大コーディネートのもと,安心して進められた。堀田先生@園田学園女子大学の幅広いお話が参考になった。
  • デジタル教育セミナー。デジタル教科書の活用ということで,どう話を進めればよいか悩んだが,ICT活用の原則が重要であるということは変わらないかと思った。あとの事例報告にもうまくつながったと思う。

何か情報をアウトプットするということは,本当に準備に時間がかかる。しかも,人まで話すのもあまり得意ではない。しかし,こういうことが私の学び方なのかなと思った。わかりやすく伝えると同時に,こうした経験を自分の成長につなげるために意識をしている。

これ以外に,インタビュー調査,学内外の会議,他の人の研究室への訪問受け入れなどが重なり,1年目の末はとても慌ただしかった。ここらへんで,少し落ち着きたいと思います。

NHK for School ICT活用ワークショップ20160320

NHK放送センターにおいて,NHK for School ICT活用ワークショップが行われた。前日および当日のリハーサルを踏まえ,実践された。

オープニングトークは,稲垣さん・中橋さん・脇本さん・寺嶋がこれからの時代のICT活用に関して,稲垣さんコーディネートのもと,話題提供がなされた。それを受け,2本のワークショップが展開された。ワークショップの講師は,ICT研修ファシリテーター養成講座の修了生。アクティブ・ラーニング,情報モラル教育,メディアリテラシーの講座が実施された。私は,情報モラル教育を担当する楠本先生のアドバイザーだったが,アドバイザーの必要がない,素晴らしいワークショップだった。

参加者の一部には,ICT研修ファシリテーター養成講座の修了生がいて,実施側からしても心強いものであった。これらの方を含め,参加者の皆さん,大変お疲れ様でした。

ところで,2月から,週に何度も人前で話す機会があり,疲れ気味。友人に「旅芸人」と言われましたが,まさにその状態。ようやく年度内の外泊の機会が終了しました。ただ,今月中もまだ2回登壇する予定なので,がんばります・・・。