大学院では,やはりプロジェクト学習が重要

教職大学院で行われてきた「学力向上実践の好事例収集プロジェクト」の発表会に参加をした。これは木原教授が先導し,数名の大学院生(いずれも現職教員)が,学力向上について実績のある高知や北海道の学校に視察に出かけ,観察やインタビュー等から,そこで注目される取り組みをまとめ,報告をするというものであった。

募集に応じた大学院生が参加をしているため,ほとんどのメンバーが一度きりの訪問にも関わらず,授業での取り組みや,教員へのインタビューを通して,豊富なデータを収集していた。当該校の研究主任の取り組みにも深く注目をしており,かなり参考になった様子がうかがえた。分析の視点を整理したうえで現場に入っているので,漠然とした観察にはなっていなかった点も良かったと思う。

教職大学院のカリキュラムにおいては,とにかく授業をどうするかが議論されがちで,気をつけないと授業数が増えるだけの改革に陥ってしまうことが多い。しかしながら,大学院の肝は,プロジェクト学習を授業内外において導入していくことだと私は思う。今回の発表は,プロジェクトとしても,好事例であったことをうかがわせるものであった。こういう取り組みが増えれば良いと思うし,私も何か考えようと思う。