教育実践研究をまとめる(5)研究目的としての要因把握

先日,教育実践研究をまとめる(4)研究目的の立て方(効果検証の場合)について投稿をした際,(効果検証の場合)と書いた。となると,その他にもあるということになる。

教職大学院での教育実践研究のように,限られた時間の中で行う実践研究について,私は基本的には何らかの方法や教材内容が対象者に対して効果をもたらすものかを検証し,実践したものをまとめれば良いと考えている。

ただしその前段階となる目的として,対象となる現場においてどのような問題があるか,課題発見を小さな実践研究サイクルでの目的にすることは十分考えられるし,それはあったほうが良いのではないかと思う。これを一応,「要因把握」と名付けることにした(厳密に言うと,違うと思うけれど)。

この際の目的の書き方は例えば,「既存のICT活用研修において,どのような課題があるのかを明確にする」や,「子どもに学力としての成果をもたらしている○○科での授業実践には,どのような要素が共通して見られるのかを明確にする」などといった記述が考えられよう。

しかしこの要因把握という目的だけでは,教職大学院での教育実践研究は成立しないと私は考える。そこでわかったことに基づいて,実践をし,本当にその要因が適用できるかを考えないといけないと考えるからである。アクションリサーチが原則である。