CMで見たような遠隔授業(愛媛県西条市)

これも先週のことになるのだが,愛媛県西条市に向かった。文部科学省事業「ICTを活用した遠隔学習における教育の質の維持向上に係る調査研究」企画・評価委員を担当しており,それに関して実施をしている学校への訪問として。これまで,過去2年にわたり「導入ガイドブック」としてその成果がまとめられている。なお,その成果や事例の一部については,私がコーディネーターを担当した学習情報研究11月号に掲載されている。

同市の取り組みはこれまでかなり成果を収めているような印象があったので,訪問を楽しみにしていた。参観したのは道徳の授業。教室環境はまさにあるCMで見たような環境であった。「普通」に授業がなされている,というのがすごく印象的であった。それは,システムに何の制約も受けず,先生方が授業をされていたからだ。当たり前なのであるが,これは今までいろんな遠隔授業を何年も前から準備や参観をしてきた私から見ると衝撃的,といっても良いレベルのものであった。

実際にその後お話をうかがっていると,システムを支える教育委員会の方が,いろいろなことを考え,できるだけ現場に負荷がかからないように準備されていること,研究校となっている校長先生型がまず先頭を切って調整をされていること,それを受けて現場の先生方が前向きにとらえて授業や研修をされている様子がよくわかった。良い授業支援システムが入るだけではなく,それを支えている組織体制があって,こうした取り組みが成り立っている,これもまた当たり前のことなのだが,それらにきちんと取り組まれている西条市の皆さんの姿勢には学ぶことが多い。次回のガイドブックにおいては成功事例のひとつとして多く掲載されることになるだろう。