少人数学級間をICTによりつないだ教科授業(萩市立佐々並小学校)20160128

文部科学省事業「人口減少社会におけるICTの活用による教育の質の維持向上に係る実証事業」という非常に長い名前の事業の企画・評価委員会委員を担当することになった。この一環で,山口県萩市の取り組みについて,視察をさせていただいた。

新幹線の新山口駅をおりた際,大阪に比べてあまりに寒いので驚き。車で1時間弱で,萩市立佐々波小学校へ。同事業の取り組みについてのヒアリングに付き添いをさせて頂いた。10キロ離れた同じ中学校区にある小学校同士を結び,何度も遠隔授業に取り組んでいる様子がよくわかった。何度も繰り返す中で,進め方についてはある程度知見が蓄積されてきていること,ただし,離れた場所やTTにより,その準備時間がかなりかかっていることがよくわかった。

視察した授業は,4年生の算数で,通常一学級における学習の展開と同様に進められていた。ただ,相手校のT1の先生が,遠隔地にある私たちが見ている学校の児童にあてて,発言させたり,子どもがタブレット端末を活用し,相手校の児童に説明を行うなどの学習が行われ,それがとてもスムーズになされていた。

この事業の関係ではじめて訪問し,遠隔授業を参観させていただいたが,本事例はシステムとしてかなり確立されているように思うので,他の地域も参考になる事例のように思った。だからこそ,その日常化や,利用が各教科等の領域や多様な活用方法につながることに期待したい旨,少々コメントさせていただいた。また,実証研究委員会にも同席をさせていただいたが,授業の精度をいかにあげるかについて,真剣に議論されていた。このようなところが,実証研究地域として採択され,よい成果を収めつつあるのは素晴らしいことだと思う。