プロフェッショナル・ラーニング・コミュニティによる学校再生

以下の様な本を見つけたので,読んだ。分担者となっている科研費の研究で,PLCに関連する研究に取り組んでいるためである。

[amazonjs asin=”4316804170″ locale=”JP” title=”プロフェッショナル・ラーニング・コミュニティによる学校再生―日本にいる「青い鳥」”]

本書は今日,教師教育において重要な概念のひとつとなっているプロフェッショナル・ラーニング・コミュニティ(専門的な学習共同体)について,論じられている。それを支える背景理論,PLCから見た日本の授業研究の特徴,さらに学力が高いという報告が出ている秋田県や福井県についてPLCの視点から著者なりに分析・考察をしている。

150ページ弱とそんなに分量はないのだが,内容は盛りだくさん。共通して,PLCの視点から見た時に,日本の学校で行われる授業研究には効果や意義が認められるということについてメッセージを発している。多角的に論じられており,大変勉強となった。

本書の主軸となるのはPLCという新しい視点であるが,本書の前半には,教師の成長や専門職としての教師の立ち位置のことについても触れられている。基本的なことから勉強できる。その中で,教員の集合研修の成果を分析した先行研究が取り上げられていた。こうしたことが研究なされているのはすごいなと思った。ちなみに生徒の学力向上としては,効果は見られないということ。それよりも学校を基盤としたものが効果があるという記述が多く見られるのだそうだ。研究と実践,それぞれの方面から,自分がどのように関わりながら取り組めばよいのかについて,考えさせられた。