異領域の研究会への参加

久保田先生@関西大学のお誘いを受け,京都文教大学において開かれた「援助専門職の学習環境デザイン 社会福祉教育のナレッジデザインへの利用者の参画とコミュニティ形成」という研究会に参加した。

たとえば,バリアフリーのことを大学の授業の中で学ぶため,バリアフリー教材を開発しようとする。ところがこうした教材というのは利用者(たとえば,実際に車いすに乗って生活している人など)の普段の生活に即していない内容もある。利用者の立場を踏まえて制作をされていなければ,オーセンティックな学びが生まれない。

このような問題点に対し,このような制作の過程に具体的に利用者に入ってもらい,学生,教員とともに協同的に制作していく学習環境のデザインが京都文教大学などではなされている。その概要の成果と課題が,大学研究者,利用者などから報告され,それを拝聴した。実際に制作されていた教材についても紹介があった。

また,「学習環境デザインとネットワーク指向アプローチ」というタイトルで,上野先生,ソーヤー先生@武蔵工業大学などの講演があった。事前に本である程度予習(?)をしていたので,アクターネットワーク理論など,話の内容はおおむね理解できた。

僕が学んだ点は2つ。ひとつはメディア教育では当たり前だけれど,直接体験とメディアによる間接体験の往復作用が相乗的効果をもたらすことを身をもって知ったこと。実際にビデオを見たうえで,車いすに乗る体験もした。また,実際に車いすで普段から生活している学生さんとも話した。自分で乗ってみると,ビデオで見る以外にさまざまな情報を得ることができた。少しの段差でも非常に気になるのである。

もう一つは異領域をつないで協同的に考えていく,ということが非常に大事であるということ。その点からすれば,僕は中に入れば話はできるけれど,つないで新しいものを生み出す人間にはなっていない。そんなことを少し考えた。そのような意味では,久保田先生というのは国際協力,メディア教育など,異種の領域と人材をつないでいくセンスとか見方があるのかなと思った。

たまにはこのように(ある程度は重なるけれども)異領域の研究会に参加したり,書物に触れることも忘れないでおこうと思った。

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