「仕事」カテゴリーアーカイブ

実習リフレクションミーティング

連合教職実践研究科においては,教育実践力開発コースを担当している。ストレートマスターと言われる,学部を卒業し,そのまま大学院に入ってきた院生たちである。この6月期に初の実習となる基本学校実習Ⅰがスタートした。2週間,集中的に実習を行っている最中である。今年度の予定としては,観察実習が行われている。

担当教員は,実習期間中に必ず実習校に訪問をし,実習生から現状を聞き,今後の学びを考えていく場を用意している。これをリフレクションミーティングと言っている(通称個別RM:RMは他にもあるが,これはまた別の機会に書く)。現在,3名の院生の指導教員となっているので,先週,今週,彼らが所属する学校へ訪問をし,取り組みの様子を見たり,話を聞いたりしている。初めての取り組みながら,院生はそれぞれの形で頑張っていることを確認し,今後の取組についてコメントしたり,ともに考えたりした。ただまずは,各実習生には最後まで体を壊すことなく元気に過ごしてほしいということ,ボチボチとやっていけば良いと思う。

一方,学校や院生から色々と話を聞いてみると,いくつか課題がある。しかも,それはひとつの課題ではないように思う。院生全員が,あるいは特定個人の院生がよりいっそう学びを深めるにはどのような環境設定が必要かということを色々と考えながら,学校へ訪問をしている。もっと周到な準備をするだとかのレベルの話ではない環境設定が求められていると思う。実に,難しい。私自身の今後の実践研究活動も問われていくことになるだろう。

大学院ー院生ー学校が一体となり,かつそれぞれの取組みが充実させることのできるような実習を考えていきたい。初めての取り組みながら,実習をお引き受けいただいている大阪府内の各校にお礼を申し上げたい。

 

話3分の2ぐらい?(遠隔授業の講師体験をして)

先日,ある大学授業の授業者として,遠隔授業を実施した。わざわざ行くには時間もお金もかかるし,1時間の授業なので,遠隔地からお話させていただいた。Google ハングアウトを利用した。

かつては以下の様な遠隔教育に関する本の執筆にかかわらせていただいた経験もあるが,よく考えてみるとお恥ずかしいことに,同期的な授業の実施経験となると,実は少ない。

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もちろん,会議や研究に関する打ち合わせ,人以上に実施をしてきた。初等・中等教育の遠隔共同学習については,人並み以上に観察したり,その運営に関わってきた。しかし,直接経験は,あまりなく,これより前は,教員免許状更新講習での経験だったと思う(でもこの講習は,対面はもとより同程度,遠隔地でも同じような評価を得ているんですよ)。

実施した授業が15回のうち初回のオリエンテーションだったとはいえ,うまくいくかをいつもより時間をかけ,事前にシミュレーションをしてみたり,いつもよりゆっくり話したり,できるだけ受講者にフィードバックしたり,コミュニケーションをとる努力を意図的に行った。結果,想定よりも時間がかかった。もとよりそのような可能性も考え,かなり時間が余るように準備をしていたので,時間内におさめたが。おそらく,通常授業よりも話3分の2ぐらいの内容にとどめておいたほうがよいなと個人的な感覚としては思った。

こういう同期的なテレビ会議を通して,自身の講義やコミュニケーションの取り方について,改めて省察できるのではないかと思う。トレーニングとしてやってみるのも面白いかもしれない。授業は受講生の協力もあり,無事にスタートを切った。あとは,対面にて行う予定だ。

教育の情報化の普及研究に取り組む(尼崎市立教育総合センター)

尼崎市立教育総合センターを訪問した。大阪に来て,はじめての近隣の仕事(兵庫県だけれども)。本年度の同センターの研究部会の開始の式であった。

私は,教育の情報化に関わる2グループの指導助言に関わる。ひとつのグループは校務の情報化。同市にはある校務情報化の支援ソフトが導入されているが,その普及度合に差があるため,それを広く普及させていこうというもの。もうひとつは,ある会社の学習支援ソフトの活用を対象にしたもの。これも同市に昨年度導入されたが,その普及啓発を図っていこうというもの。

本日はこれから取り組みを進める前段の会,という位置づけであった。ふたつのグループの研究対象は異なる。ただし,それぞれ多機能で便利な点がいっぱいあるけれども,普及を進めるためにどのようなステップを取ればよいか,キー活用は一体何なのか,未経験の人や学校にその良さを伝えていくにはどうすればよいかなどを考えないといけないという点は,似ていると思った。教育の情報化という視点から見て,その普及を考える際には不可欠な視点だと思う。

本日を皮切りに,同市には3度程度足を運ぶ予定だ。近くでもあるし,関西でほぼ初めての仕事となるので,よい貢献ができればと思う。

アドバイザーとしてのコメントを執筆:平成26年度1~3月活動報告|多摩市立 愛和小学校 |第40回特別研究指定校|ICT教育を助成するパナソニック教育財団

パナソニック教育財団の専門委員として,特別研究指定校である多摩市立愛和小学校を担当し,2年目に入った。今年度は,少し遅いが,来月本校を訪問する予定である。

1年に3回,同校のレポートと私のコメントが掲載される。昨年度最後の報告が掲載されたようだ。私本人としては,その時のまとめもあるので,結構ポイントをおさえて書いているつもりだ。リンクは記事の下においたので,ご覧ください。

総括すると,1年を通して,ひとり一台環境が定着してきたように思う。2年目はそのバリエーションが広がるとか,新たしい提案があるとかいう部分に期待したい。1年目はそこにつながるような学習観が共有されていなかったように思う。2年目のさらなる飛躍を期待したい。

ところで,同校へいくと,いわゆるEdtech関係の本当に色んな人と出会う。毎回行ったらどなたかがおり,毎回同じというわけでもない。こうした方たちと協働を重ね,新しい実践を生み出している同校は,狭い意味でのICT活用というよりも新しい学校経営のモデルを創っているといえる。お近くの方は研究会等で一度訪問することをおすすめしたい。是非見ておきたい学校だ。

多摩市立愛和小学校はパナソニック教育財団の第40回特別研究指定校です。「タブレットPCの日常化が拓く新たな教育Styleの創造 ー学びの環境(授業、教師、地域)のRe-designの試みを通してー」という研究テーマに取り組んでいます。このページでは平成26年度1月~3月の活動報告を掲載しています。

情報源: 平成26年度1~3月活動報告|多摩市立 愛和小学校 |第40回特別研究指定校|ICT教育を助成するパナソニック教育財団

「私が担当者であればどうするか」の視点(教職大学院FD)

昨日,連合教職実践研究科での授業公開に基づくFDがあったので,それに参加をした。授業は,教職大学院第二領域「教科等の実践的な指導方法に関する領域」に関する授業であった。私は今は担当していないが,前任校の長崎大学においては担当していた科目だ。

初等中等教育の授業研究会に参加し,指導助言の役割を承ることがある。ただこの日は所属している自分の組織であり,自身が担当を経験したことのある領域の授業だったので,いつもとは異なる視点で見ることができた。要は「私だったらどうするか」という視点である。そこから見てみると,拝見した授業から学びが多く,授業実施に対する新たな視点が得られた。また,私の視点と実際行われていたことの比較を通して,自分に足りない点やこれまで行ってきた成果や自身の授業に対する考え方も確認できた。

教職大学院での授業のポイントは,やはり実務家教員と研究者教員の協働,というのが大きな柱のひとつとなると思う。事後の研究会においてはそのことが特に議論された。本学では必修の多くの授業がこうしたティームティーチングなので,事前準備を含め,これをどのように組んでいくのかを探求することはひとつの研究課題となりそうだ。