久保田賢一・今野貴之(編)「主体的・対話的で深い学びの環境とICT」が出版されました

標記書籍が出版された。Amazonでも掲載されている。

タイトルの通り,主体的・対話的で深い学びをキーワードとして,それを実現するためのICT活用や学習環境について記されている。ひとつの特徴としては,とりあげられている実践の幅広さがあげられるであろう。東信堂のページには,目次があるので参照されたいが,これまでの関連書籍とは全く異なったバリエーションがある。ロボットの活用,ゲームの利用など,こうしたたぐいの書籍ではこれまであまり触れられなかったものである。加えて,初等・中等教育だけではなく,高等教育の事例が含まれているのも特徴的であり,幅広い読者を対象としている。

私は第一部で,「学び続ける専門職としての教師」ということで執筆した。教育の情報化が進む昨今で,どのような教員の養成や研修が求められるか,そのことについて執筆した。また,本書は教員養成の講義での教科書として活用されることが想定されているので,編著者のリクエストに応じて,講義で使われることを想定した問いかけを積極的に入れることにした。

本書のもうひとつの特徴として,関西大学大学院総合情報学研究科で編著者の一人である久保田教授のもとで勉強した人たちで構成されているという点がある(最近では,同じ学会の人でもこれらの人が同じ研究室の出身だということを知らないかもしれない)。こうした研究室単位での執筆というのは,特に内容が偏りがちになってしまうが,執筆者がそれぞれやっていることが気持ちいいまでにバラバラなので,内容の多様性をもたせることができているのではないかと思う。その一方で何らかの共通点を探るとするならば,みんなどこかでの教育現場での実践研究を試行錯誤的に積み重ねているというところにあるだろう。各章の実践からみんないろんな苦労をしてるんじゃないかなと思った。

機会があれば手にとって読んでいただければと思う。なお,本書は以下の書籍の続編的な位置づけなのだそうだ。
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