自治体ごとの「教育実践事例集」,必要か?

何か新しい教育実践を試みようとすると,これから取り組む学校の先生方のために,「実践事例(集)が必要です」ということになることが多い。そして,それを作成するのに労力を割くことになる。もちろんそれがないなら作ることにしたらよいのだが,文科省や他の地域において公開されていることも多い。

仮に自治体で事例集を作る際は,メリットがどのような点にあるかについて考えることが必要だと思う。1つ目としては,研修(教育)方法のひとつとして,事例集を作ることを通して理解を深めていく,というように,作ることそのものが作成している人にとって,効果をもたらすと想定される場合だろう。

2つ目に,読み手にとっては,自身の自治体で同じ環境の先生が,教育実践を進めているということを知り,似た環境にあるので参照しやすいというメリットが有る。ただ配布するだけではなく,それを読んでもらうための活用をどうするのかも考えることが必要だと思う。

先日の研修においては,過去に行われた3年間の成果となる冊子を,研修の活動の中で利用をする形をとった。事例集として発行しても,それが活用されないと意味がない。ただ発行されました→見ましょうだけではなく,どのようなところで活用していくかを構想するところから考えるのが良いのかもしれない。