学習設計マニュアル

自身の大学の授業に,インストラクショナル・デザイン視点を入れてから,15年がたった。当初は,教材設計マニュアルを利用し,今は,自分が分担執筆者にもなっている授業設計マニュアルを活用している。「教え方」を学ぶための本として活用しているわけだが,やっていると,「これは学び手である自分に置き換えてみると,学習の手引となる」ということを実感できるようになり,大学の講義においてはそうしたことを伝えようとしてきた。

そうしたなんとなくの思いが学習設計マニュアルという書籍には,見事に反映されている。自分の学びをデザインするという視点から,章立ては比較的細かく用意されている。大学での導入教育等で活用することを意図しており,非常にわかりやすい。それだけではなく,大学院生にもおすすめしたいと思った。

本書は,教育工学を研究するという立場からも,興味深い書籍である。教授ー学習デザインを考える際に,どの点から考えればよいか,その視点を提供してくれる。

著者グループは概ね知っている方ばかりだったので,誰がどの章を書かれているか,自分でも推測しながら,興味深く読ませていただいた。