「本」カテゴリーアーカイブ

認知的道具のデザイン

「学習などの活動環境を状況論からデザインする」という帯にあるとおり,それらに関する理論と実践がまとめられている。特に7章のアルゴアリーナというソフトの設計と評価に関わる加藤・鈴木論文が参考となった。ここでは学習環境をデザインする際の構成要素として3つのレベルに整理している。

ヒト(組織)のデザイン:組織,制度など

コト(活動)のデザイン:活動内容,目的など

モノ(道具)のデザイン:器具・道具,教育メディアなど

以上が原則として上から,往復しながらデザインされていくと言う。内容がデザイナによって全て可変というわけでもなく制約も出てくるだろうから,往復作用の過程において,そういうときにどのような意思決定をするかが重要であると思った。非常にシンプルでよい枠組みだと思う。

フィールドワークの技法と実際

質的研究の入門用に教科書として使える本であるが,最近もう一度読み返してみた。非常にわかりやすく,実際のエスノグラフィーが掲載されているのでとても参考になる。質的研究と言うと,コード化などの分析方法に関心が行きがちになってしまうが,やはり「問いのたて方」,これに尽きる。学会誌に掲載された柴山論文,村本論文はお手本と言えるだろう。柴山論文はスクリプト理論を援用しているが,分析枠組みが何かを援用できると,データも整理しやすいのかなと思ったし,読んでいて納得できた。

構成主義パラダイムと学習環境デザイン

構成主義パラダイムと学習環境デザイン

構成主義パラダイムと学習環境デザイン

久保田先生@関西大学にいただきました。「実は持っていません」というと,「誤字脱字も直して,増刷したんだよ」と言われ。教科書として使っている大学もあるようです。さすがに後半の実践部分は古くなった部分を感じさせるが,構成主義の理論,質的研究の評価基準に関する考察は今でも一読するものがある。改めて参考になりました。まあ,179Pに誤字が残っていましたが(笑)本人が「直したてなのに」とショックを受けるかもしれないので,伏せておこう。

イノベーションの本質

イノベーションの本質

イノベーションの本質

まあ一言で言えば,プロジェクトXをちょっと理論的に書きました,みたいな本(って前に書いたかな)。ひとつひとつのイノベーションの舞台裏を鮮明に描き,野中理論的に斬る。なかなかわかりやすい本でした。イノベーションに関わるときの主体的側面と客体的側面のバランスを考えさせられました。事情は違うんだろうけれども,学校のイノベーションというのは研究になるかな。一時期勉強しようとしたけれど,海外にはそういうのがあります。教育経営学あたりにはあるかもしれない。

頭がよくなる 朝,10分の習慣

全国65536人(だったかな)のファンが押し寄せる某サイトにもこうした「朝」系の本が最近多いことが指摘されていたが,たまたま読んでみました。こうやって実際にデータなんかを出されると妙に納得してしまうような・・・(浅はか?)これを読んでいると大体朝に漢字とか計算とかをやる「はげみ学習」(愛知県の緒川小学校など)の事例はそれに当てはまるんだろうなあ。本の編集としてはなんだか寄せ集めたようなもので,その点はあまりほめられませんが。学習と脳研究ももちろん専門外とはいえ,ちょっとは勉強しないとね。教育工学会でも関連発表があるわけだし。