教育実践研究の計画を立てる際,その目的は重要であり,目的を明確化する際には,評価を考慮することも重要であるということを(4)にまとめた。現在年度初めに入り,新たな院生の方への指導を始めているが,このことを実感する。
自身はこれまで,あまりはじめから評価を意識しすぎないように指導をしてきたが(そもそもの実践の質が問題だし,学会や学会誌論文の発表を志向するわけではないので),その結果,実践の実施が先立ってしまい,途中から評価について議論することが多くあり,その弊害のようなものも感じてきた。
複数年で,いくつかの教育実践研究のサイクルを意識するのであれば,継続的に評価し,それがより向上するのかどうかを検討することが基本的には良いだろう。その評価結果は説得力を持つし,何を評価するべきかを考えることは,長期に渡る教育実践研究の全体計画に1本の筋道をつけることになる。
途中から評価の観点が増えることになっても良いが,何を継続して評価するかを考えることは,教育実践研究の目的を明確化することにつながるので,ひとつの王道だということを忘れてはならない。
もちろん,評価にあたっては,多様な評価を心がける,というのは学校での授業と同じであることも肝に命じたい。この点から,対象者が自己評価をするための項目を先行研究から検討したり,自由記述としてどのようなデータを収集すればよいかを検討したり,インタビューなども考えてみると良いと思う。