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加古川市立加古川中学校公開研究会20221102

この2年間,何度か訪問をした加古川中学校で公開研究会が行われた。前日に雨が降り寒くて心配をしたのだが,当日はとてもよい天気であった。

1学年8クラスの大規模な中学校で,2時間にわたり全員の先生により,51の授業が公開された。私はそのうちの10程度の授業で一部しか参加できなかったが,いずれの先生も真摯に取り組んでいたし,ICT活用の幅が広がったと思う。生徒のICT活用スキルも進歩したように見えた。

私は当日はパネルディスカッションのコーディネータを務めた。思いがけず市長や教育長の前でお話をすることになり,時間の関係で十分に話すことはできなかったが,これまでの取り組みをある程度総括できたのではないかと思う。

パナソニック教育財団の助成を取っただけではなく,途中でJAETの優良校の申請をしたり,企業との連携など外部リソースをうまく活用した学校で,山本校長先生のリーダーシップのもと,研究主任の澤先生が熱心に取り組まれた。先生の数が多いのもあり,大変だっただろうと思う。

下の写真は,当日配布された冊子入れで,生徒会主導によりデザインされたchromebookの10のルールをピクトグラムにしたものだそうだ。こういう取り組みも,興味を引くものであった。

chromebook10のルール
(加古川中学校・作)

遠隔授業の研修会に参加20220929-30

京都府北部地域で実施されている令和4年度学舎制導入校における遠隔授業推進のための研修会に2日に渡って参加をした。

この地域における宮津天橋高等学校,丹後緑風高等学校はもともと4つの高校があったが,2つの高校そして4つの学舎で編成された。2つの学舎は離れていてもひとつの高校で,例えば校長先生はひとり。特定のいくつかの教科において,遠隔合同授業が行われている。

私が京都府からの研究生を5年にわたって5名をこれまで引き受け,そのうちの2名がこの遠隔授業の運営に中心的に関わっていることもあり,この地域と4年程度のお付き合いを重ねている。

本格実施に移行しつつあることで,2日に渡って各校の学舎ペアの遠隔授業をいくつか拝見した。着実にステップアップしている様子を確認することができた。一方,技術上の課題の問題発見や対応がなかなか難しいなと思った。

訪問してみると,自分の身の回りの地域だけ見ていてはよくわからない地域社会のことや未来のことについて考える機会があった。現場を見ないと,そして話さないとわからないこと,知らないことがいっぱいある。考える際には多少,長崎での経験も役立った。

担当の加藤指導主事,現場の中根先生や安見先生には大変お世話になりありがたかった。

ところで各校では両学舎の部活動も合同なのだそうだが,野球に関しては2校4学舎合同で秋季大会に出場したとのこと。強豪校をやぶり,ベスト8だったのだとか。阪神糸井選手の母校であることもあり,話題になったのだそう。明るい話題である。

https://news.yahoo.co.jp/articles/3d9a781650d5a04337c55c89a975e79f0acd9b06

大阪府のICT担当指導主事を対象に講演

昨日,大阪府教育センターを訪問した。かつて大学院生の実習のために何度か通ったが,実に久しぶりであった。

文部科学省のICT活用教育アドバイザーとして,大阪府から依頼があった講演について事務局から指名があり,日程も空いていたため,実現した。

大阪府の政令市を除く,市町村の教育委員会のICT関係担当指導主事の先生方へ,GIGAスクール時代に教育委員会として配慮する必要がある点について,お話をした。

普段大阪市との付き合いが多く,大阪府での仕事はあまりなかったが,この会を通して,多くの自治体が一所懸命取り組まれている様子などを把握することができた。こうしてすでに進んでいる自治体に対して,大学は何をできるかを考えていかないといけないだろう。

研究会で発表

先週,信州大学において,日本教育工学会研究会が対面で久しぶりに開催された。以下について,発表をした。

勝田 浩次, 寺嶋 浩介, 斉田 俊平, 菊地 寛, 平田 篤史, 中川 一史(2022) 学習指導要領に基づく思考力・判断力・表現力の自己評価用項目の開発-小中高等学校の学習指導要領を対象として-. 『日本教育工学会研究会報告集』JSET2022-2, pp.156-161.(2022年7月2日)
https://doi.org/10.15077/jsetstudy.2022.2_156

ファーストの勝田さんが仕事のため,私が発表をすることになった。研究会での発表は,2017年以来らしい(この間の2年間は研究会委員長で研究会には結構参加はしていたので,まさかである)。

この内容について,昨年度の春先から取り組んできた。夜にZOOMで寄り合い,議論を重ねたもので,実は結構な時間がかかっている。中川先生と勝田さんにこのテーマについて別途同時に声をかけていただいた中で実現したものであった。

学習指導要領を思考力・判断力・表現力の視点から整理したものであり,何らかの形で教育実践に寄与できればと思う。ひとつ形になってよかった。

しかし,大阪ー名古屋ー信州というルートは,最近出張がなくなった中ではなかなかしんどい旅であった。

歴史総合・地理総合・公共(NHK高校講座)

新しい学習指導要領の施行に伴い,高等学校の教育課程は新しい科目などが導入され,私のように外部から見ている分にはかなり複雑に見える。

学習指導要領改訂のポイント
https://www.mext.go.jp/content/1421692_2.pdf
ここの最終ページに,高等学校の各学科に共通する教科・科目等及び標準単位数もある。

このうちたまに話題となる社会科系の以下の3科目がどんなものか,NHK高校講座の1回目を視聴してみることにした。

歴史総合
https://www.nhk.or.jp/kokokoza/tv/rekishisougou/
地理総合
https://www.nhk.or.jp/kokokoza/tv/chirisougou/
公共
https://www.nhk.or.jp/kokokoza/tv/koukyou/

歴史総合は,カレーの話題から国内外の状況に迫り,歴史の視点から見ることの必要性がよく分かる番組で結構面白かった。また,第1回目ということで,この科目を学ぶことの意義みたいものも紹介されておりよく理解できた。

地理総合は,1回目は様々な地図を扱っていた。説明はわかるけれど,問題設定がピンとこないところもあり,個人的にはあまり関心が持てなかった。2回目のGISの回も見たが,同じように感じられた。「主体的な学び」が意識されているのだろうけれど,何でも身の回りのことに置き換えて考えさせるのは難しい感じがした。

公共については,特定の問題について,様々な哲学者,心理学者等の考え方が紹介されており,大学の授業などとも繋がりやすいのかなと思った。「空気を読む」ということが紹介されており,これについてはネットでも批判的なコメントが有ったようだ。ただ,この番組に基づいて,色々と考えたり話し合えたりしたら良いのではないか(実際,「主体的・対話的で深い学び」を意識していてそのような作りとなっている)。今後番組の構成がどの様になるのか,視聴者が興味を持てるつくりになるのか,興味深いところである。

しかし,小・中学校で利用されるNHK for Schoolと比較をすると,20分という時間はコンパクトにまとまっているとはいえ,長く感じるのは時代の流れか。