オンデマンドコンテンツの準備をめぐって

あるところでオンデマンドコンテンツを作成しなければいけないことになり,この1ヶ月,その内容をどうしたものかと悩みはしたものの,ギリギリに完成させることができた。

個人的には,何らかの対話的な学習と合わせるブレンド学習でないと,オンデマンドコンテンツを与えるのは難しいと,昨年度さらに実感をしたところである。質の高いものを作っているひともいるのだろうけど,私を含めた多くの人には難しいものだと思う。学校現場の研修も聞くところではオンデマンドコンテンツの利用によるものが増えているそうで,こうした流れは長い目で見たときに,ICT活用に暗い影を落としそうだ。

さて,今回のオンデマンドコンテンツの作成に関するオーダーは,完全なるオンデマンド(対面との組み合わせなどの工夫は考えられない)ものであった。時間も決められていた。そこでまず,「学習者が考える時間」を計画的に確保することにした。時間いっぱい,講師が話している映像は見るほうが大変だから。NHK for Schoolでも10分番組なのに,それ以上耐えうる内容で,それより長いものを作れるはずがない。ただし,作ってみると,結構長い時間になったりして,申し訳なく思った。

その次に,対話的な学びをオンデマンドコンテンツでは用意できないので,ゲストに登場してもらい,対話で進めたいなと思った。しかし,そもそも依頼(所属長含めて)や謝金の処理,打ち合わせに膨大な時間がかかると思うと,短い時間の中では諦めざるを得なかった。

その代案ではあるが,受講生に与えた演習課題を先んじてある人たちに考えていただき,その人たちがどう回答したのかを出すことで,受講生がひとりで考えたことを,出てくる回答と比較できるようにした。できそうなところとしてはこんなところだろう。協力いただいた方々には感謝申し上げたい。

オンデマンド教材の作成は準備が長くかかる分,頑張った感が(作った側には)得られやすい。一方,受講者側の満足感は,得られにくい。オンライン学習に関わる議論がもう一段階上に行くとよいのだけれど。