「仕事」カテゴリーアーカイブ

2014年度を振り返って

年度末恒例の振り返り。

まずは研究。質的な向上を図ることを目指していたが,査読論文についてはパブリッシュにこぎつけられなかった。結果なので,それは仕方ないと思う。科研(ICTと教員養成)の関係で,紀要が一本。まだ印刷に回っていない分担執筆が一本。構想通りに進められた点では成果だけど,もう少しできた状態にしたかった。またタブレット端末の書籍は,このブログに結構アクセスがある。結構注目されているのかな。授業設計マニュアルの新板にも関わらせてもらった。学会はこれまでのものを継続して3つの学会で口頭発表。発表はこれで限界だと思う。国際会議は封印中。論文は,投稿はしたが,常に何か書いている状態にはしたいと思う。とはいえ,未だ未提出の原稿と格闘中。新年度は,借金返済に向けて頑張ります。

教育。膨大に増えた長崎大学での授業を何とかこなすのに精一杯だった。特に前期は,常に頭のなかで授業の展開ばかりを考えていた。いったんリセットだ。来年度は新しい授業や指導が始まるが,まずはとりあえずやってみることで,できるだけ身軽に行きたい。長崎での非常勤が課題だけど。

地域貢献など外部の仕事。継続して関わった学校が,3校。少し現場の事情などにも応じられるようになっただろうか。異動の関係もあり,例年より講演の機会は少し減った。2年間やってきたLTEは細々と続く(?)学会の委員会などが増えており,仕事自体にクオリティが落ちていると思う。自身の責任範囲を考えさせられる。

今年度は,長崎での仕事をたたみながら,次のことを考える1年であった。そんな中で,なんだかふわふわした1年だった。でも,これからのことをかなり考えた1年でもあった。でも,考え過ぎかも。来年度は軽やかに新しい生活を楽しみたい。

次のステージに進みます。

大学教育の取り組みについてコメントする(20150323)

昨日ある大学に訪問をした。偶然が重なり,この大学が取り組んでいる某プログラムの外部評価者として声をかけていただいたためである。

私も大学に所属をする身なのであるが,高等教育での組織的な取り組みについてはあまり良く知らない(多少,実践研究の発表経験等はあるが)。しかし,何故か年に数回,FDで講師として呼ばれたりなどすることがある。

現在の大学教育のひとつのキーワードは「アクティブラーニング」であることは,誰の目から見ても明らかである。初等中等教育の現場において総合的な学習の時間に関する取り組み,ICT活用については色々と見てきたので,その立場から当大学のプログラムへの取り組みについていくつかコメントをさせていただいた。

アクティブラーニングという言葉は,今初等中等教育においてもキーワードとして取り上げられるようになった。しかし,言葉に左右されることなく,過去に行われたり,述べられたりしてきた考え方を大切にしながら,学校の段階を問わず,教育実践(研究)に関わっていきたい。少なくとも今の大学教育においては,初等中等教育でこれまで進められてきた実践研究がかなり参考になると改めて思った。

現職教員院生のモデルケース(長崎大学大学院教職実践専攻発表会20150213)

またしても,長崎大学に赴いた。今度は大学院の実践研究報告会に参加をするためである。

今年度修了予定生は1名担当をしていたので,その最後を見届けるためにやってきた。この大学院生は,2年プログラムの小学校教員の院生である。1年目は大学院にはりついて勉強できたが,2年目は勤務校で通常の勤務をしながら,学校終了後,遠い佐世保にもかかわらず,何度も大学に出てきてもらい進捗状況を確認した。

タイトルは以下のとおり。

21世紀型の資質・能力を育む総合的な学習の時間のカリキュラム開発方法〜ワークショップ型研修の実践を通して〜

2年目に学校で実践することを想定し,総合的な学習のカリキュラムを学校全体でどのように開発していくかを提案,それを実践した。1年目は総合的な学習について,実習やプラスアルファでかなり足を運びつつ丹念に調べ,戦後社会科などの文献にもあたり,総合的な学習のカリキュラム開発に必要な要素をチェックリストとして抽出した。2年目は,そのポイントを学校内に浸透させ,総合のカリキュラムを見直していくということを総合的な学習の主任の立場から,ワークショップ型の校内研修を行い,それを指揮した。時間は限られているので満足行かなかった点もあるかもしれないけれど,本当によく頑張られた取り組みだったと思う。私も安心して(?)途中で異動できた。修了後も,教職大学院出身として誇りを持ち,現場で頑張っていただきたいと思う。

指導側としては,これまで私と一緒に担当してきた田中先生,私の異動に伴い色々とサポートしていただいた井手先生に感謝したい。

発表全体については,これから私も引き続き大教大の教職大学院に所属をするので色々と考えさせられた。みんなそれぞれ頑張っているが,特にストレートマスターおよびその指導教員の「教育実践研究」への考えの差がすごく見て取れる発表だった。どれが良い悪いというよりも,議論しながらひとつの方向性を持っていく必要があると思った。大教大ではそれが始まっていて良い議論になりつつあると思うので,大学としての独自性を出していければ良いかなと思う。

発表前後では,色んな学生・院生や元同僚にたくさん声をかけてもらった。本当にありがたい。ここでの出会いは一生の宝である。数名から,「来年も是非来てください」と言われたが・・・はてさて。

産官学連携の成功(多久市立小中一貫西渓校最後の訪問):20150209

多久市立小中一貫西渓校を訪問した。同校は2年間DISスクールイノベーションプロジェクトの指定を受けた学校である。大きな大会は,11月にすでに終わり,今回はまとめの会となった。私の異動があり,行けるかどうか分からなかったのだが,調整により指定された日が たまたま空いていたので助かった。

会は,このプロジェクトの関係者による協議会が前後に入る形で,中学校社会科の授業公開が1本,その検討会とともに入った。授業自体は,課題が上がるもので,検討会においては積極的に議論がなされた。協議会においては,ダイワボウの方から,本校の先生方へのアンケート紹介やログ分析の結果などがあり,成果を積み上げていったことが数字からも分かる形となった。私からは,本校の成功要因について触れつつも,エビデンス積み上げという点では課題が残ること,小中連携の授業についての情報交換・授業研究がさらに必要となることを指摘した。

行く度に改善を重ねる,本当に良い学校だった。中川教育長,教育委員の皆さんも毎回出席。校内でも中心となる多くの先生方が環境を作り上げておられた。すべてを取りまとめてこのような状況を作られた峰学校教育課長に感謝申し上げます。また,本校とのきっかけを作ってくださったTさん,ありがとうございました。本当に気持ちよく通えた学校でした。終了後は,皆さんとご一緒する時間もなく,あえなく大阪に戻る。

ダイワボウの今回のプロジェクトが目指していたと思われる,産官学連携の好事例となる学校となったと思う。ICT活用に関わり,同校への訪問が増えているそうだ。確かに一度訪問し,先生の日常的な活用場面に触れてみるのが良いかもしれない。

長崎大学小学校教育コース卒論発表会20150208

異動後はじめて,長崎大学へ。教育学部の卒業論文発表会に参加をした。今年度は,ゼミに6名の4年生が所属していたからである。私は12月末で長崎大学を退職をしたが,卒業論文の提出締め切りは1月末だということもあり,途中で抜けてしまうことになった。メール等で卒論の仕上げについてはやりとりし,本日の発表会を迎えた。

発表題目を以下に示しておこう。卒論を進める際には,多くの方々にお世話になりました。

  • 学生のICT活用指導力向上のための授業の提案〜小学校国語科「読むこと」の領域におけるデジタル教科書の活用を対象にして〜
  • ICTを活用した協働学習のための指導法チェックリストの開発と評価
  • 話し合い活動において児童に進行するスキルを定着させるための教師用ガイドブックの開発
  • ARCSモデルを用いた児童のICT活用プレゼンテーション能力の向上についてー児童向けガイドブックの開発を通してー
  • 小学校家庭科教育におけるICT活用指導力定着のための指導者用ガイドブックの開発
  • イラストを活用した協働学習の授業設計マニュアルの開発ー社会科における思考力・判断力・表現力の育成をねらってー

発表の練習等,最後のところには付き合えなかったが,自分たちで頑張り,よい発表となっていた。本人たちの努力もあるが,他の先生にご指導を頂いたところもかなり大きいことがわかった。合同ゼミで指導していただいた藤木先生,小清水先生,倉田先生,瀬戸崎先生に感謝申し上げます。途中でこのような事になったことについて,学生はもちろん,まわりの先生方にも本当に申し訳なく思う。

長崎大学では約50名の学生を担当した。私が4月から所属するのは大学院となるので,今後変更がない限りは学部生に対する卒業論文指導を担当しない(今から考えてみると,大きな選択になる)。そう思うと少し寂しいところもあるが,長崎では多くの良い学生に巡り会えた。大教大ではどのような出会いが待っているだろうか。

卒業生とは一生の付き合い。また,どこかで。