「仕事」カテゴリーアーカイブ

D-project春の公開研究会2016 in 京都に登壇します

放送大学の中川教授が代表者を務めておられる,D-projectの公開研究会に登壇させていただくことになった(中川先生には12月の大阪でご登壇頂いたのだが,ブーメランのように私に帰ってきた)。このプロジェクトでは,「メディア創造力」をキーワードに実践研究発表やワークショップが行われるもので,歴史もあるし,全国数カ所に支部もあるなど,実践研究コミュニティとして大変充実している。

毎年3月に大きな公開研究会が行われており,今年は3月26日(土)に京都の同志社中・高等学校において開催される予定である。詳細はD-projectのWebページを。私は一番最後の,Discussion2において登壇することになった。武蔵大学の中橋先生,園田学園女子大学の堀田先生と登壇をするそうで,いかにもありそうだが,学会ではありえないラインナップとなっている。テーマは「再考:「主体的」「協働的」な学びとは何か」である。あまり考えたことはないような気もするけれど,全国から熱心な人が集まるだろうから,刺激的なトークを展開したいと思う。

少人数学級間をICTによりつないだ教科授業(萩市立佐々並小学校)20160128

文部科学省事業「人口減少社会におけるICTの活用による教育の質の維持向上に係る実証事業」という非常に長い名前の事業の企画・評価委員会委員を担当することになった。この一環で,山口県萩市の取り組みについて,視察をさせていただいた。

新幹線の新山口駅をおりた際,大阪に比べてあまりに寒いので驚き。車で1時間弱で,萩市立佐々波小学校へ。同事業の取り組みについてのヒアリングに付き添いをさせて頂いた。10キロ離れた同じ中学校区にある小学校同士を結び,何度も遠隔授業に取り組んでいる様子がよくわかった。何度も繰り返す中で,進め方についてはある程度知見が蓄積されてきていること,ただし,離れた場所やTTにより,その準備時間がかなりかかっていることがよくわかった。

視察した授業は,4年生の算数で,通常一学級における学習の展開と同様に進められていた。ただ,相手校のT1の先生が,遠隔地にある私たちが見ている学校の児童にあてて,発言させたり,子どもがタブレット端末を活用し,相手校の児童に説明を行うなどの学習が行われ,それがとてもスムーズになされていた。

この事業の関係ではじめて訪問し,遠隔授業を参観させていただいたが,本事例はシステムとしてかなり確立されているように思うので,他の地域も参考になる事例のように思った。だからこそ,その日常化や,利用が各教科等の領域や多様な活用方法につながることに期待したい旨,少々コメントさせていただいた。また,実証研究委員会にも同席をさせていただいたが,授業の精度をいかにあげるかについて,真剣に議論されていた。このようなところが,実証研究地域として採択され,よい成果を収めつつあるのは素晴らしいことだと思う。

 

校内研での議論の活発な学校(熊本市立出水小学校)20160125

熊本市立出水小学校を訪問した。雪で大丈夫かと思ったけれど,前日までにやんで,通常授業。同校は,来年度視聴覚・放送教育九州大会の実践校となる。同会への関わりや,以前から担当の金井先生とも交流があり,私が関わることになった。

金井学級のかわいい1年生の子どもたちと給食を一緒にとった後,5年生の社会科の授業を参観した。暮らしを支える情報について考える単元。これまでインターネットについて学んだことをNHK for Schoolのクリップを通して振り返り,コミュニティFMをテーマに取り上げた授業で,授業者の先生は,新しい教材に挑んでいた。

その後の検討会においては,私が最後に話すことになっていたが,その前の一時間,ワークショップ型でもない通常の質疑応答のスタイルで,本時の授業について,議論が活発になされた。また,その議論も単なる批判ではなく,前向きな提案や解釈も含んでいて,とても充実したものだった。私からは,それらの整理と教材について考慮することなどを踏まえたうえで,メディアの活用や今後の方向性についてお話した。

こういう学校に行くと,本当に訪問して自分も勉強になる。今年度は最後になるかと思うが,来年度も数回同校を訪問する。着実にステップアップしていくことになると思う。

反転授業の実施は難しい(実習訪問)

本日は,ある院生が進める学校実習のため,とある高校を訪問した。同校では,実に驚くべきことなのだが,生徒は1人1台の端末を所持している。そして,英語科において,反転授業の取り組みを進めている。これはこの学校に配属された院生の関心とも似ているので,同じように授業を実施するのはまたとない機会である。これまで,学校における担当の先生と共同し,ビデオを制作し,今回,当該単元の実施に至った。

当然,実施においては院生は生徒の多くがビデオを事前に見てきているという展開を踏まえ,授業を作っていた。しかし,その予測に反して,多くの生徒はビデオを見てきていない。

よくありそうな光景ではあるが,反転授業となるとこの後はどのような対応をしたら良いだろうか。これが私が担当する大学での授業であれば,「前提条件を満たしていない」ということでバッサリと切ると思うが。反転授業は,授業設計をより複雑にする。事前のデザイン,そして,対面授業においても様々な生徒に対応をしなければいけなくなる。初等・中等教育において,このような取り組みが定着していくだろうか。

当該院生がこの取組をもとに,次はどのようなアクションをするのか,見守りたい。

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2月20日に,大阪教育大学天王寺キャンパスにおいて,JAET「教育の情報化」実践セミナーを開催します。テーマは,能動的学習(アクティブラーニング)と情報活用能力。予想を大幅に上回る企業展示数となりました。これに伴い,セミナーの進行をバッサリとアクティブなものと改善する予定ですので,お楽しみに。

学校実習コースRM(20160109)

私は,大学院においては学部卒院生(ストレートマスター)の所属する教育実践力開発コースを担当している。先週,学校実習の途中経過の成果と課題について発表をするコースでのリフレクションミーティングが実施された。

10月に後期の1回目を行ったが,実習を経て,彼らの発表内容は格段に向上していた。それだけに,彼ら自身の取り組み内容については差が見られ始めたことも確認をした。今回の課題を修正し,さらに深めた形で,2月の全体RMにつなげてほしい。

また,発表を聞いていると,彼ら自身の問題ではないカリキュラム上の課題であるとか,教職大学院として考えなければいけない点についても,少しずつ明確になってきたと思う。この辺りについても形成的な評価を図っていかなければならない。