「仕事」カテゴリーアーカイブ

日本教育工学会を終えて

9月17日から19日にかけて,日本教育工学会が行われた。ここ数年のことになるが,立場上,前日のワークショップの時間帯から,終了の時間帯まで,ずっと会場において過ごした。実行委員の先生方以外では,一番長かったと思う。

自身の発表を控えたため,一般発表が連名の2本,SIGセッションの1本であった。院生の篠原くんが学会デビューで,発表や質疑応答に頑張っていた。常に人が来ていた。もらった意見をもとに改善し,残りの学校実習を頑張って欲しい。大学院生で,自分で意思決定し,発表するのは立派なこと。島田先生は言うまでもなくの安定感。科研が本年度で終わるので,ルーブリックを含めた完成物の作成を今後進めることになる。
SIGセッションではコーディネーターを務めた。3本の発表は大変勉強になるものであったが,私の力量不足でいまひとつ深めきれなかった点を反省。また,このSIGには多様な人が集まることから,今後どうしていくか議論していかないといけないなと思った。

SIG04(教育の情報化)の取り組みと SIG セッションの概要
豊田 充崇(和歌山大学), 藤川 大祐(千葉大学), 佐藤 喜信(内田洋行) 稲垣 忠(東北学院大学), 後藤 康志(新潟大学), 今野 貴之(明星大学 寺嶋 浩介(大阪教育大学), 森下 耕治(光村図書) 63

ARCS 動機づけモデルを生かした自信を向上させる小学校授業のデザイン ◎篠原 幸太, 寺嶋 浩介(大阪教育大学大学院) 351

学校研究の発展のために教育委員会指導主事が果たす役割のルーブリックの開発 ◎島田 希(大阪市立大学), 木原 俊行, 寺嶋 浩介(大阪教育大学) 783

発表もいくつか聞いて回った。自分の考えている方向性は概ねあっているとは思ったけれど,進めていることに対する理論づけが既存の研究と噛み合わないところがあるので,特に教師教育に関する勉強がさらに必要だと思った。

運営では,今回は大会企画委員会委員長を務めた初めての大会であった。感想はみんなに聞くしかないのだけれど,学会に参加して自分の研究がさらにブラッシュアップできそうだとか,よい議論ができた,今後の研究が発展するなど思ってくれたら,嬉しいなと思う。とにかくやはり実行委員の負担が大変で,いつも申し訳なく思う。今回,特に大会企画委員でもある西森さんには色々とストレスがかかったと思う。本当に感謝したいです。
概ね順調に進められたとは思うが,理事会でも意見を頂戴し,終了後の大会企画委員会においては色々と反省も出された。100点はないけれども,それを改善していくことが私に求められることだと思うので,うまく次の大会につながるようにしたいと思う。次回は2017年9月16日から18日に島根大学で開催される。

日本教育工学会全国大会(大阪大会)のチュートリアルセッションへ行こう

今月,9月17日から19日にかけて,大阪大学豊中キャンパスにて,日本教育工学会全国大会が開催される。いよいよ直前となり,連絡も賑やかになってきた。

学会は,各自(あるいはグループの)研究について互いに情報交換や議論を通して発展させる中心となる場である。今回の大会においてはその基本を重視し,ここ数年進められてきたことにのっとって,それを定着させるべく,少し改善をした。

変更のひとつは,これまで数年実施してきたトークセッションを発展的に解消し,SIG(シグと読みます)の時間帯を二枠確保した。これにより,ひとつしか出られなかったSIGに本大会においてはふたつ参加できることになった。

そしてもうひとつは,チュートリアルセッションというものを実施してみることになった。初日である9月17日(土),11:10-11:40, 会場はA104にて実施される。この時代に本学会の新規会員は増え続けており,研究テーマが広がっている。発表数も多い。その中で,特に新しい会員,若手の会員に向けて本学会が主としてどのような学会かを山西会長にお話いただく。そして先述した今後学会の研究の中核を担っていくSIGとは一体何なのか,どういうテーマがあるのかなどを村上SIG委員長が,おそらく楽しいトークで盛り上げながらお話をしていただくことになっている。本会のコーディネータは,次期大会校で中心的な役割を担われる深見先生(島根大学)で着々と準備をしていただいている。

お知り合いの方で,本学会に初めてだとか,まだ入会して間もない方がいらっしゃれば,ぜひご参加いただけるよう,宣伝をお願いしたいと思います。また,大会に参加の方はどなたでも参加できますので,再度学会の全体像を把握したい方にもおすすめしたいと思います。ポスター発表と同時刻に展開されますが,一部の時間帯ですので,終了後にポスター発表を見てまわることもできます。ぜひご参加ください。

前任校長崎大学での集中講義

今週の大部分を長崎において過ごした。前任校の長崎大学において非常勤講師として集中講義を行うためである。教職大学院の教科授業実践コースの必修授業「インストラクショナルデザインとマイクロティーチング」を3日間に渡って実施した。事前にわからなかったことと,私のミスもあり,時間の調整が難しく,何とか設計と実施という当初考えていたことは,授業の中で実施できた。多様な教科専門を持つ受講生に有用な授業となっただろうか・・・。
学内を歩いていると,本当に色んな人に声をかけてもらい,近況報告を行うことができた。色んな先生にお世話になった。また,倉田先生や瀬戸崎先生にご配慮いただき,ゼミの卒業生とも会うことができ,楽しい時を過ごした。
30代のほぼすべてをこの長崎で過ごした。周りの仲間もいっぱいできた。いい学生にも囲まれた。大教大は2年目で,まだまだなのだが,長崎から大阪へ行ったことが「良い選択」となるように,また日々頑張りたいと思った。
長崎の皆さんお世話になりました。

7月後半から8月中旬まで取り組んだこと

7月後半から8月お盆前まで,研修や講習の講師が続き,忙殺されていた。大学のことを含め,振り返りを含めて上げておきたい。

  • 富山県総合教育センター:授業デザインとICT活用。富山に呼んでいただいたのはもう何回目だろうか。連続は3年目ぐらい。講演スタイルで進めさせてもらった。いつも熱心に聞いていただけるので,ついつい長く話してしまった。
  • 尼崎市総合教育センター(7回シリーズのうち2回目):1学期に行ってきた授業の中でベスト2を「AL通信」として作成してきてもらい,その授業について情報交換をした。また,アクティブ・ラーニングに求められる要件などについても考えてもらった。私はアクティブラーニングについては,今行っている取り組みや工夫を掘り起こしていくことがキーになると思う。
  • 大阪市立中津小学校:タブレット端末もある中でのICT活用の基本について。いくつか事例について話した後,実際に使って見ながら,できそうなことを考えてもらった。まずは触って見るところから。算数を研究テーマの中心としているので,長崎大学の卒論生が作成した算数でのICT活用に関するガイドが役立った。
  • 尼崎市立園田北小学校:アクティブラーニングに関する研修。ここでも,1学期の取り組みをもとに議論してもらい,2学期以降の取り組みについて目指すところを「対話的」「主体的」「協働的」の視点から考えてもらった。瀧本研究主任は,ICT研修ファシリテーター養成講座の第1期修了生。私と話し合いながら,自身の学校なりにアレンジし,研修に取り組み,頑張った。12月に公開研があるので,楽しみ。
  • 関西大学にて,連合教職大学院の説明会。関西大学は私たちの大学院では,もっとも出身者が多いところである。少し話も広まってきて,意欲ある学部生が説明会に来てくれたと思う。ひとりでも多く入学して欲しい。私よりも,現役大学院生の言葉が彼らの胸に響いたと思う。終了後は,教育開発支援センターへ。岩崎千晶先生のところへ。最近は解説をしないと知らない人もいるかもしれないが,大学の同級生である。仕事のことや家庭のことなど久しぶりに長く話すことができた。
  • JSETSIG教育の情報化。これだけはいち参加者として参加をした。GetActiveという書籍について学ぶ会。海外の動向も勉強しないといけないことを再認識した。
  • パナソニック教育財団成果報告会:愛和小の取り組みについてコメントした。終了後はその後の取り組みについてうかがったりした。パネルディスカッション(アクティブラーニングとICT活用)では,他の登壇者に比べケタの大きい話をしてしまい,意図に沿っていたかどうか,そもそもテーマに即した事例を自分がどこまで持っているかなど反省をした。先輩の先生方の引き出しの多さに自分は情けなくなった。しかも,終了後は新幹線がまさかの1時間以上の遅れ。振り返れば,ここから疲労が蓄積されていった・・・。
  • 備前市:パネルディスカッションの登壇。同市のICT活用に関する調査を請け負っているので,その結果の紹介。多くあるものから何を切り出すかが難しいと思う。最後にはちゃんと研究として報告できるようにしないとと思う。
  • 大学院の実習リフレクションミーティング。半期に1回開催される。昨年度はほぼ自分でやったが,今年度から運営方式を変え,自身はほとんど口を挟まないようにした。担当の先生方に感謝だけど,さらに院生が請け負う形が理想だろう。課題もあると思うが,大学院全体で動くものなので,おおよそうまく運営されていると思った。今後どこまで取り組みとして力を入れていくか。終了後,東京へ。
  • ICT研修ファシリテーター養成講座(NHK×JSETSIG「教育の情報化」):2期目の2ndセッション。内容も,時間の長さとしても一番のヤマ場となる。準備やかかるプレッシャーは他にひとりで講師をしているものからは一線を画するヘビーさで,私自身も勉強になっている。受講生の熱心さに助けられ,無事に終了。10月に最後の3rdセッションが行われる予定。終了後も打ち合わせがあり,ヘロヘロになりながら大阪へ戻る。
  • その次の日朝1番から教員免許状更新講習。今年度から選択必修となった教育の情報化2コマ。1回きり,90名程度の受講者でできることは限られるが,準備したものをもとに精一杯やった。
  • 免許状更新講習終了後は,名古屋から井上先生が研究員として来研。今回は1日のみの制度。昨年度,2週間大阪に滞在された。その続きとして今行っておられる情報活用能力育成のことをうかがい,アドバイスさせてもらった。最近あまりない総合的学習などについて話せる機会。やはり私はテーマとして好きなんだと思った。終了後は更新講習の採点を行い,昨年度果たせなかった一緒に飲むことも実現できた。
  • 尼崎市総合教育センター(7回シリーズのうち3回目):前回の議論を受け,アクティブラーニングをさらに一歩深めるための次のステージを考えていくことに。一緒に入ってもらっている泰山先生(鳴門教育大学)を中心に進めてもらった。前回あったように実践に意義付けをしていくだけではなく,その上のステージを少しとらえることができたのではないかと思う。はじめての取り組みなのでけっこう大変なのだが,やっているうちにアクティブラーニングを語る糸口が少しわかってきたと思う。
 
8月後半は集中講義があることもあり,この夏の講習や研修関係は,ほぼ終了した。振り返ってみると,大きくICTとアクティブラーニングに分けられるが,後者の仕事が増えてきていることに戸惑いが正直いって大きい。また,自分のできることに比して,仕事を多く請け負ってしまったことも反省点である。この期間中は何とか乗り切ったが,まだ立ち直れていない段階で,大学や研究の仕事に影響してしまっている。次年度以降,見直しが必要である。

JSET大会企画・SIG合同委員会

 今年度,日本教育工学会の全国大会は9月に大阪大学にて催される。その会場校をお借りし,大会企画委員会とSIG委員会によるプログラム編成のための合同委員会が行われた。事前にできるだけ準備したものの,私の詰めが甘いこともあり手続き的には課題を残したが,プログラムは想定よりも早く編成された。ベテラン委員の皆さんをはじめとして慣れている方が多いので助かった。学会員の皆さんには今後早い段階で,プログラムの発表や座長依頼が行くことになるが,大会運営にご協力いただければと思う。プログラム編成の最中は,会場校や他の委員の方から質問を受けるなど。
 プログラム編成終了後は,大会に向けてその他諸々の打ち合わせ。大会企画委員会の先生方が,予定通り仕事を進めてくださっている。会場校の準備も西森先生が粛々と進められている。順調だと思う。
 9月に大阪にてお会いしましょう。