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オンライン学習としてのNHK for school

今さら感があるのだが,初等・中等教育の児童・生徒がオンライン学習をする際に,私はやはりNHK for Schoolが有効なのではないかと思う。

その中でも特に,今回の機会に合わせて,おうちで学ぼうが公開されているが,私は特にこれが有用だと思う。NHK for Schoolは最近コンテンツ数が多く,はじめて見るとなると,どれを見ようか・・・ということになるが,ページ中にある「先生が選んだプレイリスト」が番組が厳選されていて,とても良いと思う。まずはここから見るのが良いのではないだろうか。面白いと思うシリーズがあれば,それを続けてみるのが良いだろう。

学校と家庭で異なるのは,時間がかけられるという点にある。特に学校だと1回しか見ないのが普通だろうが,家ではくり返し見ることができる。これまで繰り返し視聴はあまり強調されてこなかったと思うが,良質のものを何回も見ていると,それなりに発見がある。あと,教科や番組の性格によるが,番組を視聴して学んだことを,実際に何らかの形で適用したり,応用したりできる時間も十分ある。

文科省から色々とコンテンツが公開されているが,まずはNHK for Schoolの活用からで良いと思う。

社会人院生のオンライン授業,考慮すべきは

全国各地で大学でのオンライン授業が進みつつある。私の大学では現在準備中で,今日4月14日現在では,20日(月)の週から約3週分開催されることになっている。ただし,これは現在のところの決定事項であり,延びる可能性ももちろんある。ここまで色々考えてみると,準備はやっぱり大変だなあ・・・と思うのだが,想定の範囲内である。

対学生について,いわゆる若い学生さんを対象にした場合,「パケ死」問題が議論をされている。それについては,いくつか記事が取り上げられたり,携帯各社の対応が発表されている。

私自身は,大学院での授業が多く,その対象者の多くが社会人となる。これについて,なにか議論されているだろうか。この中で,特にテレビ会議など同期的な学習の場合,カメラ問題,場所問題が発生するのではないかと予想している。

ネット環境の問題については先の若い方と比較すると,特に問題ないかもしれない。しかし,自宅でカメラがないという問題,自宅でそのような学習に取り組める場所がないという問題が出てくるのではないかと思う。

前者は経験則で言えば,カメラがなくてもiphoneなどのヘッドセットがあると対応できるし,PC内蔵のものでも可能である。要は,顔を出さない,見ないやり取りである。今までのコミュニケーションにこだわれば,ストレスを感じる人はいるかも知れないが,それにこだわらなければ対応できる。あと,スマホを使えば,対応できるのでとりあえず問題はクリアできると思う。

問題は後者。家で(しかも夜に)そのようなコミュニケーションを取れる場があるか。社会人は,家族のいる人も多い。子どもがいたとすると,夜間大学院は,彼らが就寝する時間にあたる。その近くで,授業に参加できるのかを考えると,私は難しいと思っている。そもそも,普段職場にいることが中心の人が,家で落ち着いて取り組める場所があるだろうか。当初は,大学キャンパス活用の可能性もあったが,大阪では,そうしたことが,一気に難しくなった。

e-learningって,「いつでも,どこでも」じゃなかったのね。

個人的な感覚で行くと,非同期的な学習環境の選択が普通だと思うが,果たしてどうなるか・・・(担当しているものは,非同期的な学習ができるように準備中である)。そして,ほかの方はどのような環境を構築されるだろうか。そんな事言いつつも,主指導教員となっている担当院生への指導は,テレビ会議ですすめる(ICTがテーマなのであれば,とりあえず活用からしてもらわないと)。先週は,大学から接続した院生もいたが,今週は状況が異なり,大学を活用する道はない。うまく進められるだろうか?なんとか進めるしかないのだが。

リスタート

2020年度に入った。自分は特に変わらず・・・と思っていたら,人事異動通知が。「高度教職開発系」というところに配置換えであった。これは,大学の組織が変わることによる配置換えなので,実質の仕事の中心は,相変わらず連合教職大学院になる。

自分の周りには,いくつか変化があった。もちろん,世の中は不安定な状況だ。昨日は,授業の休講期間等がアナウンスされた。自分の中で,0と5のつく年は肩書を含めて,大体変化がある。この先も,良い変化ならばよいのだけれど。

今年度は,次の5年につながるいいリスタートをしたい。

2019年度を振り返って

大体年度末はあまり動くことがないのだが,本年度は新型コロナの影響もあり,さらに静かな年度末を過ごしている(なぜ仕事は減らないのかは,わからない)。

大阪教育大学へ来て,5年間が終わり,すでに6年目に入っている。今年は改組が有り,キャンパスはそのままだが,組織が拡大した。私は,スクールリーダーシップコース担当になり,現職教員院生を担当することになった。今年度ストレートマスターのM2生が修了したので,次年度からは全員現職教員を担当することになる。レアケースであったが,すでに,現職教員の院生も1名を修了まで担当したので,ある程度イメージはついている。いい形で現場に送れるように,進めたい。現在担当しているM1生もとても頑張っている。

研究については,年度の前半は,英語の査読論文の修正に終始したが,無事に採録にこぎつけられたのが良かった。改めて,日本語論文とは異なるロジックの組み立てに苦労をしたが,この経験を通してひとつ成長がはかれたと思う。量産はできないので,海外に出せる成果に結びつけていく機会を増やしたいと思う。院生,研究生が発表をする機会が出てきた。とても良いことだと思う。科研費代表の研究については,遅くはあるが,継続的に進めようとしている。

大学内では先程書いたとおり,改組に関わって,授業担当や組織に変更があり,自身が成長できたところと,苦労したところがある。できればルーチンで回せるように旧来のやり方を適用しようとしたところ,それがかえってうまくいかないという事態によく遭遇した。当たり前のことではあるが,うまく「適用」をすることはどういうことか,考えないといけない。

学外においては,日本教育工学会では大会企画委員長の任を終えた。もう少しきちんとやってから後につなぎたかったが,日常業務との間で,手が回らない形になり,いろんな方に迷惑をおかけした。途中で,研究会委員長を担当することになった。ここでも,色々と考えないといけないことが出てきている。日本教育メディア学会では企画委員長を担当。新しい試みに着手した。日本教育工学協会では,学校情報化認定委員会幹事を務めた。そして新たな仕事を次年度から取り組むことになる。

このほか,研修等を担当する中,教育委員会関連の仕事や会議と関係することが増えた1年であった。

年を明けてから,いろんな事が起きた。ある程度落ち着いたと思ったら,今度は世の中が激しく動いている。長期戦となりそうである。このような中で,日々丁寧に過ごすことを意識したい。

学習設計マニュアル

自身の大学の授業に,インストラクショナル・デザイン視点を入れてから,15年がたった。当初は,教材設計マニュアルを利用し,今は,自分が分担執筆者にもなっている授業設計マニュアルを活用している。「教え方」を学ぶための本として活用しているわけだが,やっていると,「これは学び手である自分に置き換えてみると,学習の手引となる」ということを実感できるようになり,大学の講義においてはそうしたことを伝えようとしてきた。

そうしたなんとなくの思いが学習設計マニュアルという書籍には,見事に反映されている。自分の学びをデザインするという視点から,章立ては比較的細かく用意されている。大学での導入教育等で活用することを意図しており,非常にわかりやすい。それだけではなく,大学院生にもおすすめしたいと思った。

本書は,教育工学を研究するという立場からも,興味深い書籍である。教授ー学習デザインを考える際に,どの点から考えればよいか,その視点を提供してくれる。

著者グループは概ね知っている方ばかりだったので,誰がどの章を書かれているか,自分でも推測しながら,興味深く読ませていただいた。