大阪教育大学と大阪市教育センターによる「学校教育ICT推進リーダー」の養成

1週間ほど前になるが,大阪教育大学と大阪市教育センターによる「学校教育ICT推進リーダー」養成に関する研修が遂に本年度最後を迎えた。これは大阪市ICTフロンティア研修の受講生から自主的に手を上げたものが,さらに私たちの大学院での講義や追加研修を受講し,最終試験に合格をしたら,修了認定がなされるという本年度からの制度である。この日までに準備をしてきた受講生たちが3会場に分かれ,その他のICTフロンティアを受講生を対象に,模擬研修を行うというものである。最初の講義から半年,修了課題には約2ヶ月をかけ,準備に取り組んでこられた。模擬研修の評価は私を含む大阪教育大学のスタッフと,大阪市教育センターのスタッフがタッグを組んで行われた。
この合否については,年明けに発表され,いずれは表彰も行われる。各先生方はとても頑張ったと思う(私もひとグループしか見ていないので,他のグループの様子を見ることができていないのだが)。
この取組はなんとかスタートさせ,途中は予定変更も余儀なくされたのだが,なんとか最後までこぎつけることができ,実施者も受講生も「やってよかったな」という思いに浸ることができるものとなった。同僚の森田先生や木原先生,そして大阪市教育センターの先生方に感謝したい。今後はこの事業の評価が行われ,来年度以降の実施体制についても話し合われることになる。

行政研修に関わって(尼崎市)

尼崎市教育総合センターのアクティブ・ラーニングに関する研修に関わり2年目になる。1回2時間半の研修を7回シリーズで担当しており,今年度も5回目が終了した。
本日は12回目となったが,今までで一番話さずに進めることになった。センターの担当の先生が基本的に案を組み立て,私は途中で少しだけを話す形を取ることになった(もちろん事前打ち合わせは別途重ねているが)。また,プログラムには昨年度の研修受講生からの現在取り組んでいることについての話題提供もあった。昨年度受講した立場から,あるいは現場からの目線をとてもわかり易く頑張っている様子を報告してくれた。今回の研修ももちろん課題はあるのだが,昨年度の取り組みを更に発展させる形で取り組むことが出来た。
本日の研修には,尼崎市教育委員会の先生も見に来てくださった。終了後,本日の研修の振り返りを皮切りに,これまでの取り組みや教育に関する政策についても意見交換することができた。私は本市の学力向上推進委員も担当しており,その立場も踏まえながら,この研修の展開や事業の連携,今後の方針などについて話し合うことができた。2年間の取り組み自体,私が思っている以上に評価をしていただき,大変ありがたく思った。
最近は,学校というよりも,こうした行政レベルでの取り組みとかかわることが増えた。いろんなことを経験し,学校レベルでは見えてこない先生方の取り組みや考え,あるいは悩みなど,新しい視点を少しは獲得できたように思う。こうしたテーマについて,さらに勉強する必要性も感じている。

情報教育を充実させるカリキュラム・マネジメント(福岡教育大学附属久留米小学校)

先日,福岡教育大学附属久留米小学校を訪問した。私は平成29年度文部科学省委託事業次世代の教育情報化推進事業「情報教育の推進等に関する調査研究」の企画検証委員会委員を担当しており,同校の取り組みを見て,いくつかヒアリングするということが目的であった。次期学習指導要領のキーワードのひとつがカリキュラム・マネジメントとなっており,この事業においては情報教育の充実につながるカリキュラム・マネジメントをどのように行うのかが研究されることになっている。
同校はこれまで,文部科学省の研究開発学校やパナソニック教育財団の特別研究指定を受け,情報科のカリキュラム開発を行ってきているが,そこで得られた知見を,今回の事業に適用した形でさらに発展を図っていた。それを意識した授業が算数でのプログラミング学習や総合で展開されていた。
ヒアリングをしてみると,用意された枠組みをただ利用するだけではなく,どう利用するのが学校にとって価値があるものなのかを考えて,カリキュラム・マネジメントを実施しているように思った。同校の取り組みから生み出されるカリキュラム自体は数年かけて構築されてきたものだから,これから実施をする学校においてはすぐに適用することは難しいが,そのプロセスに目を向けてみると,学べることはいくつもあるのではないかと思う。

反転授業の浸透ー次の段階へ(篠山市立丹南中学校)

篠山市立丹南中学校で公開研究発表会が実施された。パナソニック教育財団の特別研究指定校で,私はアドバイザーを務めている。
研究会ではまず,後の公開授業において活用する動画の紹介が行われた。これは生徒が自宅でどのような動画を見てきているのかがわからないと,授業の内容が参加者も理解できないため,実施された。その後,それらの動画をどのように作成しているかについて説明があった。多くの教員は,Explain Everythingというアプリを活用して作成をしており,その簡便さを紹介された。
続いて公開授業は,数学が2クラス,英語,理科,家庭科が実施された。私から見るとこのラインナップは比較的バランスが取れていたと思う。それは実験や調理の技能(理科,家庭科)を扱うものから,英語と数学のクラスでは比較的丁寧な解説動画,もうひとつのクラスの数学はさらにその先を見据えたもの,という具合に位置づけることができるからだ。私は何度か見てわかっているのだが,授業の進展がとても早い。あるクラスでは開始1分で目標の共有をし,活動に入っていた。これは他も早く回らないと・・・と思ってとなりの教室へいくと,授業はかなり進んでおり驚いた。
全体会においては,研究推進部による説明が行われた。これまでの足跡と,教師の取り組みの印象,生徒の声などが紹介された。その後,私の基調講演,という予定であったが,私が1時間話してもあまり参加者に役立たないと考え,4名の先生方に質問を投げかけながら話すというスタイルを取った。これまでの校内研究会はこのようなスタイルであったし,先生方の生の声を聞いてもらったほうが良いと考えたからである。結果として,それはよかったと思うし,これまでの取り組みを総括できた。
なお,この日に向けて同校が作成した反転授業に関するリーフレットは特に参考になるものである。ゆくゆくは,パナソニック教育財団のWebページに紹介されることになる。
終了後は,これからの課題について話し合った。まだ明文化出来ないところがあるが,
・市内他校,あるいは他校種への拡がり
・対面の授業として何を目指していくか
・本当に生徒の主体的な学びにつなげていくためには何が必要か(生徒の成長プロセスをどう考えるか,どのような動画が主体的な学びにとって効果的か,自身で学習を進めていくことが苦手な生徒に必要な環境は)
などがあげられるであろう。2つ目と3つ目は重なるところが多いと思う。当初の予定を通り越して,着実に進展していると思う。丹南中学校の先生方の努力には頭が下がる。私も大変勉強になった。次は1月に訪問の予定であるが,どんどん進めていただきたいし,未完成でもその先の提案が見たい。

小学校におけるプログラミング教育を考える(大阪市立北津守小学校)

本年度最初で最後のつもりで,プログラミング教育に関する研修の依頼をお引き受けした。2回の研修が計画されており,いずれも授業+その検討+研修と言うかたちで構成されていた。

少し前に実施された1回目は5年理科の授業(ふりこ)。実験の条件制御を考えながら,その実験を考え,実際に検証するというような内容であった。私からはプログラミング教育の背景と,基本事項についてどう考えていくかを演習を通して考えていただいた。

2回目は3年生国語の授業(慣用句)。ある慣用句について,「プログラミン」を用いて子どもたちが表現をするような授業であった。先生方には,事例を考えてきてもらい,私からは基本的な考え方や先行事例を提供し,それを踏まえながらもってきた事例についてともに考えようとした。多くの事例が出てきて,共有できた。

2回の実施を通して,おおよその方向性を共有することができたと思う。やってよかったなと思える研修となった。私は2回の取り組みを通してプログラミング教育における重要点を自分の中で整理することができた。やはり思考力,というのがポイントになり,プログラミング的思考とそうじゃない思考の区分けが必要だと思う。今紹介,実践されている事例について少し整理し言語化できるようになってきた。また,「子どもが考える」というのが大変重要であること,それが新しい学習指導要領にもつながるのだと結びつけることができた。

北津守小学校の先生方は,授業研究会における議論も,その取組の姿勢もまた,非常に前向きだ。1回目の研究授業を実施された先生は,その時の反省に基づきその後の授業の展開について教えてくださった。こうして前向きに発展できる学校の研究はこれから一層進むことになると思う。

なお,研修にあたっては色々と書籍も読んだが,以下の本が特に参考になった。