現場との距離

最近事務の方からも「あの人は研究をやっているのか?」と心配されているので,たまには研究についても触れてみたい。

先日,後輩研究者に研究の中身について,提案をしたところ,「現場に近すぎます」と言われた。それは裏を返せば,「ちゃんとした理論があるのか?」ということになるかと思う。そうです。確かにそのとおり。結構反省をしました。ということで,その事も含め,少し考え直すことにした。

実は普段も,自分でやりながら,自分にこのことを投げかけていることがよくある。理論あらへんやん,みたいなこと。「理論と実践の往還」とはよく言うのだけれど,自分としては現場の状況をくみ取って,こうだからという明快なロジックを組み立てて,その対応方策を論じなければいけない。この「状況」がほんとに多くのところで当てはまるのか,なぜその対策か,というのは説明できないといけないのだろう。

加えて,私が対象とする教育の現場は,様々なレベルがあることも忘れてはならない。最近,私も外部の人間として,学校に行くだけではなく,教育委員会等で,政策に対して意見を求められたりもするようになった。ここもまた現場とはいえ,実際の学校とは論理が異なる。

様々なレベルを越えて,どちらの状況も知りながら,あるところで提案したものが,適用先でうまく行っているのか,何が問題なのか,実際に目で見なければいけない。それを数ヶ月前,あるところで聞き,自分も意識しないとなと思った。

研究ー現場という横軸,教育現場の縦軸,いずれの場所にも立ち,その場なりのアクションができる,ということが重要なのだろう。