反転授業の浸透ー次の段階へ(篠山市立丹南中学校)

篠山市立丹南中学校で公開研究発表会が実施された。パナソニック教育財団の特別研究指定校で,私はアドバイザーを務めている。
研究会ではまず,後の公開授業において活用する動画の紹介が行われた。これは生徒が自宅でどのような動画を見てきているのかがわからないと,授業の内容が参加者も理解できないため,実施された。その後,それらの動画をどのように作成しているかについて説明があった。多くの教員は,Explain Everythingというアプリを活用して作成をしており,その簡便さを紹介された。
続いて公開授業は,数学が2クラス,英語,理科,家庭科が実施された。私から見るとこのラインナップは比較的バランスが取れていたと思う。それは実験や調理の技能(理科,家庭科)を扱うものから,英語と数学のクラスでは比較的丁寧な解説動画,もうひとつのクラスの数学はさらにその先を見据えたもの,という具合に位置づけることができるからだ。私は何度か見てわかっているのだが,授業の進展がとても早い。あるクラスでは開始1分で目標の共有をし,活動に入っていた。これは他も早く回らないと・・・と思ってとなりの教室へいくと,授業はかなり進んでおり驚いた。
全体会においては,研究推進部による説明が行われた。これまでの足跡と,教師の取り組みの印象,生徒の声などが紹介された。その後,私の基調講演,という予定であったが,私が1時間話してもあまり参加者に役立たないと考え,4名の先生方に質問を投げかけながら話すというスタイルを取った。これまでの校内研究会はこのようなスタイルであったし,先生方の生の声を聞いてもらったほうが良いと考えたからである。結果として,それはよかったと思うし,これまでの取り組みを総括できた。
なお,この日に向けて同校が作成した反転授業に関するリーフレットは特に参考になるものである。ゆくゆくは,パナソニック教育財団のWebページに紹介されることになる。
終了後は,これからの課題について話し合った。まだ明文化出来ないところがあるが,
・市内他校,あるいは他校種への拡がり
・対面の授業として何を目指していくか
・本当に生徒の主体的な学びにつなげていくためには何が必要か(生徒の成長プロセスをどう考えるか,どのような動画が主体的な学びにとって効果的か,自身で学習を進めていくことが苦手な生徒に必要な環境は)
などがあげられるであろう。2つ目と3つ目は重なるところが多いと思う。当初の予定を通り越して,着実に進展していると思う。丹南中学校の先生方の努力には頭が下がる。私も大変勉強になった。次は1月に訪問の予定であるが,どんどん進めていただきたいし,未完成でもその先の提案が見たい。