教職大学院での実習を成功に結びつけるには

M2生の最後のセメスターでの実習が一部はじまっている。先日はそのうちのある中学校に訪問をし,授業を参観した。

参観をした授業は社会科,地理の全4時間単元中の3時間目で,生徒らはこれまでの学んだ知識を活かし,グループで課題を設定した上でその事象に変化がおきたのはなぜか,マイナス面での変化があったとしたら,それをどう解決していけばよいかを考えさせる授業であった。生徒らは課題を解決するために話し合ったり,タブレットPCを活用したりなどの工夫をしていた。

いわゆるアクティブラーニングを意図した授業であるが,私はその院生の積極的な取り組みを評価したい。また,本時を工夫するだけではなくて,単元全体を見て本時を位置づけて計画していたところもよく練られていた。終了後その課題の設定や教科書との関係について議論をしたが,教職大学院のストレートマスターとして,十分頑張っていると言えるものであった。あとは実践課題研究報告書を通して,きちんと言語化して欲しい。

M1時を見ていると,ここまで進められるレベルへとよくシフトしたと思う。それは,受け入れてくれた実習校において,担当の先生の様々な授業を見ることが出来たこと,管理職の先生に学校実習についてよく理解してもらっていること,院生本人が多くの経験を重ね,理論的にも学んだからだろうと思う。

教職大学院を担当する教員としては,実習の成功を規定する条件を洗い出しながら,より精度の高いシステムを構築していかないといけないなと思った。