メディア・リテラシーの発展書として(中橋雄(編著)「メディア・リテラシー教育」)

もうだいぶ前のことなのだが,中橋くん@武蔵大学から,またまた書籍を頂いた。標記のタイトルで,副題は「ソーシャルメディア時代の実践と学び」とある。中橋くんがずっと取り組んできているメディア・リテラシーについて,今日のメディアの発展を踏まえた視点がまとめられている。
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実に手堅い編成だと思った。それは共著者のラインナップに現れるのだが,実際にこれだけのメンバーに書いてもらおうと思うと,普通はみんな思い思いに書くので,内容がまとまらないものがほとんどである。しかし,中橋くんもそれを熟知した上で編成しているので,それぞれの章が生かされながら,まとまっている。こういうのが編著者の腕なのだろうと思う。
一方,本書はメディア・リテラシーの構成要素をはじめとして,理論面について保障しつつも,実践が多角的であり,豊富であるというのがその大きな特徴であると思う。ひとつの実践を取り上げるだけではなく,カリキュラムや教材,教師教育的な視点も取り上げられている。かなり網羅されており,抜け目がない。一体,この編著者のおじさんは歳いくつ?と問いたくなる。
私がもし大学の授業等で活用するのであれば,前著「メディア・リテラシー論」を講義科目の教科書として使い,それに興味を持った学生には本書を読ませるようなアプローチを取るかな,なんて思いながら読ませてもらった。
中橋くんに送れるようになる本を,私も書きたいな。
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