愛和小学校の実践研究の発展

昨日,多摩市立愛和小学校を訪問した。同校は本年度からパナソニック教育財団の特別研究指定校となっており,財団から派遣されている専門委員であるアドバイザーが私である(おそらく,専門委員の中ではもっとも遠くに住んでいると思うのだが・・・)。同校は,児童ひとりに1台のiPad配布を実現している学校であり,今後の1to1 computingを考えていくには,たくさんのヒントが得られる学校である。
訪問の際は,できるだけ他の場面も見て,同校の実態を把握するように努めている。午前中は,各クラスの取り組みをまわって様子を拝見した。iPadがすでに日常的に馴染んでいる印象を受けた。あるクラスでは,ドリル的なアプリの利用は,時間的に減ってきたという。はじめは入りやすいが,そこにとどまっても仕方ない,ということだろう。LEGOやダブルダッチの取り組みも見せていただいた。両者には外部から講師が派遣されている。LEGOは5年生ははじめての取り組みだったというが,みるみるうちに慣れてくる様子が見て取れた。続ければ,かなり高度な取り組みになっていきそうだ。

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午後の算数の研究授業は,正三角形や二等辺三角形の概念を理解するというものであった。あるLMSを活用し,三角形の分け方を検討させ,そのカテゴライズしたものにネーミングをしていくという内容であった。なお,授業参観をしている多くの教師はiPadを持ってきて,同じLMSを活用し,授業の進度に応じて「いいね」「?(改善の必要あり)」のボタンを押して,後の事後検討会のためのデータとしていた(これは前日に発生したアイディアであった)。いわゆる,運勢ライン法による授業評価となっていた。
授業後の検討会においては,表示された各授業場面でのデータに基づいて,数名が意見を出し,議論されていた。取り組み自体に改善の余地があるかも知れないが,授業だけではなくこのような場をしかもICTを活用して実施しようとする前向きな姿勢を評価したいと思う。

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私の授業後の助言としては,協働学習のひとつの型としてはあっても良いと思うが,ひとつのパターンに落とすのではなく,型としては質的に改善を図りつつも,他に探索して欲しいということ,校内研においてはそういう提案性をもった授業にしてほしいということ,今までの授業観にとらわれ過ぎないことも必要であることを指摘したうえで,協働学習について少しお話した。1年目の中盤として,思っていたよりもハードルが高いことを話したように思うが,それは本校に対して期待も持っているということである。これからどのように貼ってしていくのか,楽しみである。
なお,同校の取り組みをご覧になったことがない方には,訪問を是非オススメしたい。11月22日に公開研究会が行われる予定である。
http://schit.net/tama/esaiwa/?page_id=117