カテゴリー別アーカイブ: 仕事

初等中等教育におけるICT活用の出版とSIG「教育の情報化」での話題提供

この度,日本教育工学会が監修し,発行してきた教育工学選書において,「初等中等教育におけるICT活用」が出版された。私はその編著者となっている。今後この分野で研究を進める方にとって,そのスタートラインに立つための1冊となるようにまとまっている。私は,「児童・生徒におけるICT活用」を担当し,その考え方,学会での関連研究についてまとめた。

なお,こうしたこともあり,来週行われる日本教育工学会のSIG「教育の情報化」において,話題提供者として登壇することになっている。初日に実施されるが,詳細はこちら。本書の自身が担当した章と絡め,今後この分野の関連研究が進められることを期待したい。

学校教育ICT推進リーダー養成について教育家庭新聞に寄稿しました

大阪市教育センターと実施している学校教育ICT推進リーダー養成プログラムの実施が2年目に入った。この具体的な内容に関して,教育家庭新聞に寄稿したところ,9月3日号に掲載された。よろしければ御覧ください。

院生と現職教員がグループワーク<寄稿 大阪教育大学大学院 寺嶋浩介准教授>

学びがリンクし深化する―遠隔合同授業の可能性―(教育新聞での連載)<随時更新>

8月21日より,教育新聞紙上において,「学びがリンクし深化する―遠隔合同授業の可能性―」という連載が始まっている。全10回にわたる連載である。私が担当し,10回全体のラインナップを決めて,そのうち7回を執筆した。

新聞の後を追って,Web上でも公開が行われている。2回目以降が有料記事となっており,途中までしか読めなくなっている(1階分は全体で1000字程度)。Webにこのまま連載がアップされていくと,過去のものがどこにあるかわからなくなってくるので,リンク集を作成することにした。少し,解説も加えておきたい。もし興味のある方はアクセスしていただきたい。

学びがリンクし深化する―遠隔合同授業の可能性―(1)遠隔合同授業の定義、意義
遠隔合同授業とは何かについて,説明した。(寺嶋)

学びがリンクし深化する―遠隔合同授業の可能性―(2)100PJからの遠隔合同授業
100PJ=100校プロジェクトという昔行われたネットワークを活用した遠隔合同授業の当初の取り組みを東原先生@信州大学に振り返って執筆していただいた。なお,東原先生は,本連載後半に取り上げる文部科学省事業「人口減少社会におけるICTの活用による教育の質の維持向上に係る実証事業」の委員長であった。(信州大学・東原義訓教授)

学びがリンクし深化する―遠隔合同授業の可能性―(3)遠隔合同授業の歴史
歴史枠第2弾。100校プロジェクト以降の取り組みが今日にどのようにつながってきているかを説明した。(寺嶋)

学びがリンクし深化する―遠隔合同授業の可能性―(4)遠隔合同授業の法整備
遠隔合同授業を実施していく際に,どのように法整備が行われているか,特に高等学校の状況をもとに説明している。(寺嶋)

学びがリンクし深化する―遠隔合同授業の可能性―(5) 遠隔合同授業を支える技術
遠隔合同授業をどのような技術を通して実現していくのかーまずは授業のデザインが重要だが,技術的な側面の検討も欠かせない。検討すべきポイントについてまとめた。(寺嶋)

学びがリンクし深化する―遠隔合同授業の可能性―(6)最近の実践例(1)離島の学校を結ぶ
最近取り組まれている事例の紹介。長崎県は,「人口減少社会におけるICTの活用による教育の質の維持向上に係る実証事業」を通して実践研究を進めた。また,ここは昔から遠隔合同授業を進めてきたところでもある。これらのことを倉田先生@長崎大学にご執筆いただいた。(長崎大学・倉田伸准教授)

日本教育工学会論文誌に掲載される

最近学会といえば,その業務の切り盛りに日々頭を悩ませているが,論文が掲載された。
時任隼平・寺嶋浩介(2018)学校改善を担うスクールミドルの成長発達に寄与する教職経験に関する研究『日本教育工学会論文誌』42(1) pp.15-29.(2018年7月10日)https://doi.org/10.15077/jjet.41081
要約は,以下の通り。
本研究の目的は,学校改善を担うスクールミドルの成長発達に寄与する教職経験の具体を明らかにする事である.学校改善に取り組む2つの公立高校を研究事例とし,スクールミドル5名を対象にインタビュー調査を実施した.複線径路等至性アプローチを用いて分析した結果,スクールミドルは校務分掌の一環としてパイオニア径路とフェロー径路のいずれかを経た経験を持つ事が明らかとなった.具体的には,パイオニア径路の教師は分掌内で学校改善案を発案し分掌内外の教師との関係調整等を行い,フェロー径路の教師よりも強くリーダーシップを発揮している可能性が示唆された.また,フェロー径路の教師はパイオニア径路の教師とは異なる役割を自律的に担った経験等を経ていた.径路進行の際には受験指導等を重視する学校文化との衝突が生じ,スクールミドルは同僚グループによる協力体制を形成した上で先輩教師からの支援を受けた経験を経ている事が明らかとなった.
教育工学会にはあまりないテーマ,アプローチの研究だが,興味がある方はぜひ手にとって読んでいただきたい。高校の先生を対象としたのも珍しいと思う。この論文により,科研で着手していた教材の幅が広がった。また,自分にとっても,新しい研究手法について考える切っかけともなりよい機会となった。
査読プロセスにかなり時間がかかり,ようやく掲載の運びとなった。自分が中心に書くのならまだしも,後輩の時任くんががんばって投稿して進めたもので,ぜひ採録になってほしいという思いがあったが,途中からは不安ばかりが募った。時任くんは本当に文章がうまいと思ったのだが,これでも難産だということは,もし自分が博士課程等の院生を指導して,これがドクター論文と大きく絡むのだとしたら・・・と思うとゾッとした。こうした立場で指導されている方の苦労を想像することができた。

広島市立川内小学校を訪問

広島市立川内小学校は,11月に放送教育全国大会の授業公開を行う予定である。6月に引き続き訪問した。午前中は,道徳と社会の授業を参観(ひとりはICT研修ファシリテーター養成講座修了生)。いずれの授業も,同校が進めようとしている学習過程が明確であり,内容がよく分かるものであった。それぞれ1年生,6年生の授業であったが,なによりも児童がしっかりと話し合ったり,資料をもとにまとめたりしているところから成長を感じた。
研究授業は,「スマイル!」を活用した特別活動の授業。「言われて嬉しい言葉」をテーマとするものであった。かなりしっかりと授業を組み立てられて,実施された授業であった。終了後,番組の活用について,それに対するワークシートのあり方,といったように協議の柱に沿って,短い時間で的確かつ深い振り返りがなされており,先生方の議論のレベルが上ったように思う。「しっかり」から脱却を図るところがポイントだろうか。
私からはそれらの中で出たことを再度確認しながら,同校にとっての次のステップである,「深い学び」や成長に向けた継続性,先生方の授業の共通化から個性化の段階について話した。次は8月に指導案検討会を実施する予定。