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情報Iの理解を深めるために

高等学校の新しい学習指導要領においては,情報科が情報Iと情報IIに再編成され,実施される。このうち,情報Iは必ず履修しないといけないものとなっている。

この内容について,学校の先生方に向け,一体どのような内容が求められるのか,何から始めればよいのかについて,鼎談をしているものがYouTubeで見ることができ,以下の再生リストにあがっている。

私も司会役みたいなものを仰せつかり,出演しているが,それは良しとして岡本先生や中野先生のお話は具体的でとてもわかり易い。一見の価値はあると思う。

余談ではあるが,この日文チャンネルには他の教科もある。美術科がその代表となるのであるが,なんとユーミンが登場している。再生回数で打倒ユーミンとなるか?

[本]教育委員会が本気出したらスゴかった。

本書は,3月からはじまった一斉休校時に,4月15日から小・中学校においてオンライン授業が展開された熊本市がどのような取り組みを行ったのかがまとめられている。開始までの45日間をどのように準備をしたのか,どのように実施されたのか,なぜできたのかなどについてまとめられている。非常にわかりやすく書かれているので,誰でも読めるようになっている。

本書を読んでみると,熊本市がこのようにすすめることができた秘訣として,いち早く準備に入っていること,トップダウンで入ってはいるが,信頼した上で現場に大きく委ねている部分があること,かつては熱心に取り組んできた歴史性があること,(これは私の見聞きしたところとも合致するが)ICTとは関係ないところでの授業づくりに熱心な風土,というのがあるのだと思う。

自身の記録をたどってみると,2016年に熊本市のある学校を何度か訪問をしていた。先生方は熱心であるが,いかんせんICT関係はまるで環境がなかったことを記憶している。だから,昨今の熊本市の取り組みを聞いていても本当に進んでいるのかどうかイメージが沸かなかったが,着々と進めてこられた様子がよくわかった。

本書からは,オンライン授業のイメージにも実際に触れることができる。ずっとオンラインで接続しているわけではなく,1日の一部ずつを学年別などで工夫を凝らして行っている。一般的にイメージされているものとは少し異なるので,こうした点からも大変参考になる。
現在再び緊急事態宣言に入るところが増えてきているが,学校はそのまま行われる流れとなっており,これまで言われてきたものと同じオンライン授業であれば,そのニーズはさほどなさそうである。このような中で熊本市が今回の成果を他の授業に生かしていくのか,注目したい。

「データが有ればなんかできそう」病

後期の講義から,ZOOMを使っているものはレコーディングを始めている。基本的には記録用であるが,一部の講義では公開もしている。一昨年度,動画を公開する際にMoodleに直接アップするとトラブルが起きるため(コロナはもちろん予想していなかったが,試行しておいてよかったと思う。そもそもその後Moodleへのファイルアップロードについてはサイズ制限も出たし。),一手間はかかるもののYouTubeに限定公開の形でアップロードするのがその代替案として良いことを学んだので,それをときに利用している。

よく知らなかったのだが,Youtubeではどれぐらいの人に視聴されているのか,総じてどの程度の時間が見られているのか,どの場面が見られているのかなどがわかるということを知った。これを見ると,推測の範囲には過ぎないが,「授業前視聴を課したものは,多くは直前に見るのだな」とか,「別に見ろと言っているわけではないのだが,事後に視聴している人もいるのだな(欠席の人かもしれないけど)」みたいなのが,数値とともに実感でき,興味深い。調べてみると分析ツールなどもあるそうなのだが,ユーチューバーなんかはどう分析しているのだろう。

教育工学でも動画視聴やその傾向について分析しようとしている研究もあるが,今後オンライン授業化に伴って,増えていきそうだ。私もなにかおもしろいことができそうだと思ったが,これって多分「データが有ればなんかできそう」病だなとも思った。やはりきちんとした問題意識がないと手を出すのは危ないなとも思う。当たり前の話なんだけれど。

大教大生活が7年目に入った

2015年1月1日の着任だったので,6年目がおわり,7年目に入ったことになる。

仕事の内容は少しずつ変わりつつあるし,周りの環境も日々変わっていくが,日々豊かに暮らしていきたい。

短くても良いので,日々気がついたこと,学んだことなどをここにまとめていきたい。

教職大学院の実践課題研究報告書の構成に見る深い溝

教職大学院においては修士論文がない代わりに,実践課題研究報告書というのを(うちの大学院では)提出することになっている。

一応これまで指導をしてきたつもりなのであるが,各人によりその構成がまちまちなところがあり,指導(というかコメントをファイルに入れる)のが難しい。対象が現職教員院生となり,それがさらに顕著になった。

実践課題研究報告書をまとめる際は,2つの視点に留意し,それがうまく混ざることが良いのではないかと考えた。

ひとつは,研究論文としての構造である。すなわち,背景ー目的ーそれを実現させるための方法ーデータから出てきた(導き出される)結果ー結果を踏まえての議論・考察である。この構造を持ってまとめると,ある程度明確に示すことができるという点でメリットがあるが,載せたほうがよい情報を削ってしまったり,構成を重視するがゆえに削らざるを得ない可能性が出てくる。

もう一つは,実践研究としてのポートフォリオ性である。できるだけ状況や行ったこと,結果や意図せざるものまでを分厚く順序立てて描くといったイメージだろうか。これは,実践として鮮やかに描けるというメリットが有る一方で,どうしてもその場や状況に依存する。また,「なんとかがんばってまとめた」という本人の自己満足に終わる可能性もある。

私としては,前者のようなアプローチを基本的に心がけることが必要だと思っていたが,綺麗にまとめすぎようとして,下手をすると実践から目を背けてしまい,振り返りが浅くなる可能性がある。一方,実践でやったことだけをつらつらまとめるだけでは,別に大学院にいなくてもできるかもしれないことで,日誌としてまとめることと同じものになってしまいかねない。

以上から,両極にある視点としてこのふたつはとても大切であり,執筆をする人は心がけておかないといけないと思った。いわゆる「理論と実践の往還」という言葉にまとめてしまうことになり,そう言ってしまえばかんたんなのだが,長年教職大学院に関わってきたものとしては,あえて両者の視点には深い溝があると言いたい。この溝を乗り越えるにはどうすればよいだろうか?